【No.911】「自分ごと化会議 in ○○」は可能か?――「市井民主主義」の可能性 |「自分ごと化会議 in 松江」実行委員会 共同代表  毎熊 浩一氏|
2019.05.23

【No.911】今週末、民主主義の新しいカタチが始動します

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構想日本メールマガジン【No.911】 2019.05.23

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<目次>

【1】J.I.フォーラムのお知らせ

(1) 次々回のフォーラムも日程決定!! 6月13日(木)開催!!

第252回J.I.フォーラム 「選挙」ってなんだ?!(仮)-シリーズ 民主主義の新しいカタチ(2)-

(2) 第251回J.I.フォーラム 5月24日(金)明日開催

「自分ごと化会議in松江 成功のカギ -シリーズ 民主主義の新しいカタチ(1)-」

【2】活動ニュース

(1) Yahoo!ニュースオーサー

【3】お知らせ

(1) 第五回「東北歴史文化講座」

(2)「神宮外苑の再開発がもたらす未来について」

【4】巻末寄稿文

「自分ごと化会議 in ○○」は可能か?――「市井民主主義」の可能性

「自分ごと化会議 in 松江」実行委員会 共同代表  毎熊 浩一

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【1】J.I.フォーラムのお知らせ

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(1) 次々回のフォーラム日程決定!!6月13日(木)開催!!

第252回J.I.フォーラム 「選挙」ってなんだ?!(仮)-シリーズ 民主主義の新しいカタチ(2)-

「どうして選挙に行かなきゃいけないの?」と聞かれた時に、すぐに答えられますか?
答えのひとつがここにあります。構想日本も新しいカタチ、お笑い芸人がゲストも必見です!!
政治☓お笑いの異色のコラボで、日本の未来を語ります。

◯日 程:2019年 6月13日(木)確定

◯時 間:19:00~20:50(予定)

◯会 場:未定 (都内中心部で調整中)

◯登壇者:(敬称略・五十音順)

奥田 愛基(SEALDs創設メンバ-)

三拍子(お笑いコンビ) 【久保 孝真、高倉 陵】

加藤 秀樹(構想日本 代表)

◯コーディネーター:伊藤 伸(構想日本 総括ディレクター)

詳細は、決まり次第メールマガジン等でお知らせいたします。
お申込みは、メール、お電話、FAX.でお願いします。
info@kosonippon.org、T03-5275-5607、F03-5275-5617

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(2) 第251回J.I.フォーラム  5月24日(金) 明日開催

「自分ごと化会議in松江 成功のカギ -シリーズ 民主主義の新しいカタチ(1)-」

おかげさまで、現在満席となっております。5月22日以降のお申し込みは、お立ち見の可能性があります。
また、事前申込みなくご来場された場合は、入場をお待ちいただく可能性があります。ご了承ください。

上記についてご了承の上、下記宛お電話をいただけますようお願いいたします。

電話:03-5275-5607

今回は、ニコニコ生放送もございます。こちらもぜひご覧ください!

☆ニコニコ生放送☆ 番組ページを公開しました こちらです→https://live.nicovideo.jp/watch/lv320062548

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※参考記事:自分ごと化会議in松江の様子を総括ディレクター伊藤が、ヤフー記事にまとめています。

原発問題の解決の前提は原発を「自分ごと化」すること~「自分ごと化会議in松江」
https://news.yahoo.co.jp/byline/itoshin/20190312-00117881/

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【2】活動ニュース

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(1)Yahoo!ニュースオーサー 記事投稿

ディレクター 伊藤 伸

◇2019年5月7日 みんなが一斉に休むことは必要なのか?
https://news.yahoo.co.jp/byline/itoshin/20190507-00125096/

代表 加藤 秀樹

◇2019年4月11日 働き方改革と関係人口とふるさと住民票(R)
https://news.yahoo.co.jp/byline/katohideki/20190411-00121934/

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【3】お知らせ 構想日本とご縁の深い方々からのお知らせです

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(1)JR東日本が開催する 第五回「東北歴史文化講座」

東北エリアの「歴史」「文化」を独自のテーマで掘り下げ、知られざる日本を再発見する講座。

青森県十和田湖畔で生まれたクラフトショップ“暮らしのクラフトゆずりは”店主の田中陽子さんが、東北のお話をされます。“ゆずりは”は平成元年から令和を迎え、今年で31年を迎えます。

温かさのために糸を重ねた刺し子、山人の食を支えた曲げわっぱなど、風土や暮らしの知恵から生まれた工芸品。作り手300人余りを訪ね、その美に込められた技と心を語る。

◇日 時:2019 年 7 月 6 日(土) 15:30 開場 16:30 開演(18:00 終了予定)

◇テーマ:「東北で紡がれた手しごとの物語」 ~現代の「用の美」に宿る技と心~

◇講 師:田中 陽子氏

◇会 場:ベルサール秋葉原2階
https://www.bellesalle.co.jp/shisetsu/tokyo/bs_akihabara

◇交 通:JR「秋葉原駅」電気街口徒歩約 3 分

◇募集人数:800名様

◇参加費用:お一人様 1,000 円(税込) ※講演当日、受付にて現金でお支払いください。

◇応募方法:Web、はがき。※応募期間 2019年6月2日(日) 23:59 まで
https://www.jreast.co.jp/tohokurekishi/
<はがき>通常はがきに下記事項を明記のうえ、ご応募ください。
1,受講希望講座(青森講座または東北講座) 2郵便番号・住所 3氏名(フリガナ)4電話番号 5参加希望人数(1~2名)
宛先 〒103-8636 日本郵便株式会社 日本橋郵便局 私書箱 271 号 東北歴史文化講座事務局宛
応募締切 2019 年 6 月 2 日(日) 当日消印有効

◇お問合せ窓口: 東北歴史文化講座事務局 050-3803-9244
受付時間 10:00~12:00、13:00~17:30 ※土日祝日を除く
※お申し込みが募集人数を超えた場合は、抽選とさせていただきます。
※当選者の発表は、はがきの発送(6月中旬)をもって代えさせていただきます。

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(2)「神宮外苑の再開発がもたらす未来について」 国立競技場と神宮外苑を未来に手わたす会

2020年東京オリンピック以降の神宮外苑再開発が始働しています。
都市公園・風致地区に指定されている神宮外苑の大規模再開発計画は、西側はスタジアム通り、東側は絵画館正面の軟式野球場を取り囲む楕円の道路東側とイチョウ並木の東側までを範囲としており、対象地域の地権者(明治神宮、伊藤忠商事、JSCなど)に代わって三井不動産が計画をとりまとめています。

予想される問題

1、外苑のいちょう並木は、周辺にあまり高い建物が無く、周囲に緑が多いから成立する景観。
周囲の緑(樹林)が無くなり、高い建物が建つことで景観が激変し、いちょう並木の価値が永遠に損なわれる。
2、西側は野球場が歩道ギリギリまで建設されるため、広く根を張るいちょうにとって、大きなダメージが予想される。(枯れてしまうかもしれない。)
3、東側は商業施設6棟の建設のため、「観兵榎」につながる東側の樹林が大幅になくなる。
4、再開発により規制が緩和され、地価が大きくアップ、事業者に大きな収益をもたらす可能性がある。
5、絵画館と銀杏並木はぎりぎり残るが、西側一帯が都市公園から削除される可能性がある。
※都市公園とは、国営公園及び地方公共団体が設置する公園および緑地。

再開発計画の概要

1、銀杏並木の東側の常緑樹、落葉樹が茂っているエリアに2階建て、高さ15m(一般的に4-5階建の高さ)の商業施設数棟が建設。
2、神宮球場とラグビー場を入れ替え、銀杏並木の西側、歩道に隣接して新しい野球場(高さ60m)が建設。野球場には商業施設とホテルも併設。
3、伊藤忠商事本社ビル(現在90.9m、都市公園指定外)は190mの超高層に建て替え、さらに複合棟として185m、70mのビルが新しく建設。
4、ラグビー場は新国立競技場に最も近い場所に新たに建設。
5、並木の北西の端には、ホテル(高さ30メートル)が建設。

意見書提出のため、環境アセス計画書をご覧になりたい方は、神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会にご一報ください。 info@2020-tokyo.sakura.ne.jp

東京都が「(仮称)神宮外苑地区市街地再開発事業」に係わるパブリックコメントを募集しております。
パブリックコメントを出すために更に情報が必要な方は、当会までご一報ください。

意見書の提出は5月27日(消印有効)までです。
送付先は 〒163-8001新宿区西新宿二丁目8番1号 東京都庁第二本庁舎19階
東京都環境局総務部環境政策課

念のため以下のURLでご確認の上、都民以外の方もどしどし意見を書いてください。

●環境アセス意見募集
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/assessment/reading_guide/oshirase/357_jingugaien_kei.html

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【4】「自分ごと化会議 in ○○」は可能か?――「市井民主主義」の可能性

「自分ごと化会議 in 松江」実行委員会   共同代表  毎熊 浩一

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「自分ごと化会議in松江(以下、JGK)」とは、島根県は松江市で、無作為抽出により選ばれた住民21人(←正確には、これに学生5人が加わり都合26人。名付けて「JGK26」!)が、原発をテーマに協議したプロジェクトです。この経緯や最新情報については、ブログ等(※1)をご覧ください。

さて、共同代表の一人としては手前味噌ではありますが、このJGK、少なくとも次の点では「(大)成功」と言っていいでしょう。

(1)予定していた4回の協議会を無事開催できた(←加えて「事前勉強会」や「報告会」も!)

(2)すべての会で協議が実に充実していた(←例えば「傍聴者アンケート」が証左となりましょう!)

(3)結果として内容の濃い「提案書」(※2)をまとめることができた(←現物をぜひご覧ください!)

(4)想定以上に人々の注目を集められた(←各種マスコミ報道をご参照ください!)

では、なぜうまくいったのでしょうか。その「成功のカギ」は5月24日の「J.I.フォーラム」(※3)で真正面から取り扱われるようですし、ここでは少しだけ視点をかえてJGKの「移出可能性」について論じてみたいと思います。

すなわち、果たしてJGKはヨソでもできるのか?

結論を先取りすれば、(“奥歯にちょっと物が詰まった感じ”ながらも、“大声で”)「イエス!」と答えたいところです。「何のこっちゃ?」ですよね…。以下、補足しましょう。

くだんの問いには大きく二つの論点が含まれています。一つは、プロジェクト全体、いま一つは、メインとなる協議そのものです。

まずは前者。これはなかなかに大変です。会場の確保、各種会議、様々な事務作業、情報の記録・発信など、結構な負担がかかります。正直、個人的には日程のやりくりからしてそう容易ではありませんでした。また資金については、各方面からご支援いただきましたけれども、実は現時点でほぼ赤字確定です(←ご芳志、まだ受け付けています!)。しかし、こういったことは何をするにせよ付きものですし、はなから解決できないと諦める理由もまたありません。よく耳にする人生訓よろしく「できるまで続ければできる!」ってわけです(←ま、あからさまにトートロジー(同語反復)ですけどね…)。

では後者、協議そのものはどうか。本質的にはこちらの方がより難題と言うべきでしょう。まさしく「無作為」(抽出)だから、です。そもそもメンバーを意図的に選ぶことさえしませんから、一体どんな協議になるのやら…。基本的に祈るしかありません。ぶっちゃけ、はずれクジがあるかもしれない。要するに、一種の賭け、なわけです。うまくいくかどうか不安を感じるのも無理はありません。

けれども、それは杞憂と言っていいでしょう。幸いこの賭けの「期待値」はかなり高いようなのです。その証拠に、今回JGK26の発言は、実に「キラキラ」していました。(←したがって、協議全体も!)これが決して僕だけの思い込みでないことは、「提案書」を一瞥いただければ即座に了解してもらえるはずです。(←さしあたり2頁の傍聴者の声だけでも!)

そしてここで注目すべきは、それが可能となった理由です。

なるほど「それこそ“たまたま”、今回がラッキーだったのではないか」との向きもありましょう。しかし、全てを「ライブ観戦」してきた者の実感からすると、決してそうとは思えません。喩えるならば、すご腕の料理人たちが集まってA級グルメを振る舞ったパーティ、というよりむしろ、普通の人が普段食べている物を持ち寄った宴会、とでも言えましょうか(←因みに、JGK26のなかにはこれをもって「大家族」と表現した人もいました)。それに対して、多くの人が「それ、私も好き」とか「自分は苦手だけどアリだね」とか「へぇ~こんな味付けあるんだ」とか、そういったごく自然な共感を寄せている感じなのです。

要するに、JGK26の発言や協議を「キラキラ」にした最大の要因は、今回のメンバーだけが持つ特殊な才や知識などではなく、大概だれしもが持っている素朴な思いや率直な本音(←つまりは「自分のこと」!)だと思うのです。したがって、やや小難しい言い方になりますが、JGKメンバーは、いわゆる啓蒙的「市民」(=「社会課題や政治に自ら主体的に関わっていく者」といった意味)である必要はありません。ただ「市井の人」であればよいのです(←「副題」はここから!)。

ここまでくると、もはや「わがまち」で「できない」理由を探す方が難しいのではないでしょうか。「JGK in ○○」、日本のあちこちで見られますこと、心より祈念いたします!

※1・ブログ:https://ameblo.jp/jibungotokakaigi/
・FBページ:https://www.facebook.com/jibungotokamatsue/
※2・提案書:https://www.kosonippon.org/wp-manager/documents/2018/matsue_jibungotoka30.pdf
※3・J.I.フォーラム:https://www.kosonippon.org/wp-manager/forum/

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毎熊 浩一 (まいぐま こういち)

島根大学法文学部教授。1972年長崎生まれ。佐賀育ち。九大大学院を経て2000年より島大へ。専門は行政学。現在、島根県県民いきいき活動促進委員会アドバイザー、大田市公共施設適正化推進委員会委員長、島大政治系サークル「ポリレンジャー」顧問などを務める。 論文に、「自分史の超NPM論・寄付編」(2018)、「地方自治-地方議会は不要か?」(2016)、「議会ウオッチのススメ」(2014)等。学生と行った政策提言に、「若者マニフェスト―6の施策」(2017年)、「松江市政の通信簿」(2013年)等。

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(編集後記)

巳(み)は上に、己(おのれ)己(つちのと)下につき、半ば開くれば、已(すで)に已(や)む已(のみ)。
紛らわしい漢字の代表格。已は、古典の已(い)然形しか読み方を知りませんでした。
メルマガ読者の皆様には、末永くお健やかであらせられますことを願って已みません。

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