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【No.96】助け合いの息づく国 インドネシア

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助け合いの息づく国 インドネシア
JIメールニュースNo.96  2003.5.16
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■■ 目次 ■■
1.《小さな国に学ぶ》助け合いの息づく国 インドネシア
慶応大学総合政策学部3年
(構想日本 非常勤スタッフ)
三輪 弥生
2.《報 告》高校生による「都知事選模擬投票」実施
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1.《小さな国に学ぶ》助け合いの息づく国 インドネシア
慶応大学総合政策学部3年
(構想日本 非常勤スタッフ)
三輪 弥生
私は昨年8月、あるNGOの主催するインドネシア向けツアーに参加し
ました。その主な目的は観光ではなく、現地の人々の生活やNGOの活動
を見学、また、これに参加し、現在私が大学で研究対象としている開発
途上国の現状を実際にこの目でみたいと思ったからでした。
首都ジャカルタから飛行機で1時間、それからさらにワゴンカーで
30分ほど。連れられていったのは小さなクレベットという村でした。
道路はきちんと舗装されておらず、道の両脇にはうっそうと茂るヤシ
科の木々。その木々の間から見える空は日本の何倍も澄んで見えました。
事前に聞いていた話によると、その村のほとんどの人々は、木彫りの
手工芸品をつくることで生計を立てているということでした。実際その村
へ行ってみると、家内制手工業とでもいうのか、数十人の村人が集まり共
同で作業にあたっており、世間話や笑い声が絶えず、働く場所であると同
時に、その村の社交場でもあるようでした。なによりも村の人たちはいつ
もとても陽気で、夜もそれぞれ楽器を持ちよっては、遅くまで軽やかな踊
りなどを楽しんでいました。
しかし、一見ゆったりと毎日を過ごしているように見えた村にも、数日
間滞在してみると気づいた事がいくつかありました。村を散歩していると、
私たちがホームステイしていた立派な白壁の家(電気が通っており、テレ
ビもある)とはあきらかに違う、木々を編んで組み合わせただけの小さな
家が所々にありました。
また、小学校を見学したときも、革靴をはいてベルトなどで着飾って
いる子がいるかと思えば、裸足でお古の制服を着ている子がいるという
状況。さらに、学校に行けない子がいるという話も聞きました。
首都ジャカルタでは、街の中心部に日本の大都市と変わらないほどの
高層ビルが建ち並ぶ一方で、少し離れたゴミ収集場では、わずかなお金
の為にゴミを分別し業者へ持ち込み、生計を立てている人々の集まるス
ラム街があります。そのスラム街では、なんともいえない悪臭が立ちこ
めるなかで、インドネシアの「貧富の差」を否応なく感じさせられまし
た。
上記のような村の様子をみれば、「貧富の差」はもはや都市部だけの
ものではなく、小さな村にもどんどんその波が押し寄せていることが感じ
られ、経済発展の「負」の部分が村人たちの生活にあらわれていました。
しかし、ある光景がこうした状況に対する救いに見えました。それは、
造りかけの家に集まる数十人の村人たちの姿でした。話に聞くと、ある家
族が新しい家を建てるということで、村人総出で手伝いに来ているという
ことでした。男性が木材を運んだりと力仕事、女性はその男性たちのため
にご飯を作ったり、その家族の仕事の手伝いをしたり。
このように、この村では何かあれば村人皆で助け合うという、相互扶助
の精神が根強く残っていました。またそのような精神は子育てでも同じよ
うでした。そしてこれは、ジャカルタのスラム街で、助け合って生きてい
る人々にも共通して見うけられるものでした。
インドネシアでわかったことは、確かに地方の村々にも少しづつ「貧
富の差」や不平等は広がりつつあるが、小さな村やスラム街などの共同
体には、それを補うだけの人と人とのつながり、助け合いの精神が健在
だという事でした。
このような人と人とのつながりは、日本でもまだ見られる光景です。
事実、わたしの周りでも同じような助け合いの精神が息づいています。
それは結局、日本であれインドネシアであれ、助け合いの精神の中にこ
そ、地域社会をいかに機能させていくかという重要なファクターが含ま
れているからだと思います。
インドネシアへの旅は、ともすると忘れがちな地域社会での助け合い
精神の大切さ、人と人とのつながりを、改めて思い出させてくれたような
気がします。

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2.《報 告》高校生による「都知事選模擬投票」実施
都知事選挙投票の2日前の4月11日(金)、都立武蔵高校で高校生に
よる都知事選挙「模擬投票」が行われました。メディアからの注目度も高
く、5紙に掲載されました。
企画したのは、「政治・経済」担当の松田隆夫教諭。1989年以来、
国政選挙や地方選挙が行われるたびに「模擬投票」を実施していますが、
都知事選での実施は初めてでした。

投票は授業時間ではなく、お昼休みと放課後。投票しない権利もあり
ます。壁に張られた実際の選挙公報を見て、名前を確認し、投票。事前に
松田さんが生徒たちに「模擬投票」について説明をしたので、実際の演説
を聞いたり、家族と選挙のことを話したり、テレビのニュースや新聞を見
て、政策の違いを考えて投票することもできたようです。
投票後、数人の生徒に、何を基準に選んだかを聞いてみると、「言葉に
説得力があるから選んだ。」「環境問題に力を入れている人に投票し
た。」「女性政策をポイントに選んだ」などの声がありました。
「情報源が少ないので、責任を持って投票できないと思ったから棄権しよ
うか、と思った。」と、規制ばかりで候補者の政策を伝えにくいといった、
現行の公職選挙法の問題を実感した声も聞かれました。(公選法の問題点
については、 http://www.kosonippon.org/doc/?no=129 をご参照くださ
い。)
「模擬投票」は、私たちが選挙権を持つ前から、候補者や政策について、
また、地域や国の問題について、関心を持ち、投票するという意識を身に
つけるのに、大変有効な方法だと思います。小学生も、10年たったら選
挙権を持ちます。投票率アップのために、小手先の方策を行うよりも、
少々時間はかかりますが、本質的なこと-国民の政治に対する意識を高め
ること-をしていった方がいいと思います。
欧米やコスタリカでは、すでに何年も前から、生徒たちによる模擬投票
が行われています。
構想日本は、日本でも、各地で「子ども模擬投票」が行われるように、
その意義を多くの人たちに広めていくための事務局をしています。
上記の都立武蔵高校での模擬投票についても、構想日本の模擬投票
ホームページに詳細を掲載していますので、ぜひ、ご覧下さい。
http://www.kosonippon.org/mogi/
(構想日本 政策スタッフ 山谷 真名)
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