【No.1042】代表コラム「ツルツルになった歌」加藤秀樹
2022.01.06

【No.1042】代表コラム「ツルツルになった歌」加藤秀樹

■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

構想日本メールマガジン【No.1042】 2022.01.06 発行

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■

<目次>

【1】代表コラム(21)「ツルツルになった歌」加藤秀樹

【2】お知らせ

(1)《自分ごと化対談》noteに登場! 生命誌研究者 中村桂子氏

(2) 受講生募集 オンライン×フィールドワーク研修で学ぶ「自治みらい塾2022」~現場から地域、日本を変えるための考え方、手法~

(3)「咢堂ブックオブザイヤー2021 地方部門 大賞」受賞:『あなたも当たるかもしれない、「くじ引き民主主義」の時代へ』

【3】12月の主な活動報告 政策実現活動、新聞・テレビ等メディア掲載 その他

【4】ご報告

 (1)熊谷美術館・熊谷家住宅 ~クラウドファンディング~
 (2) 天岩戸「注連縄(しめなわ)張り」神事 ~クラウドファンディング~
□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □

【1】代表コラム(21)「ツルツルになった歌」

構想日本 代表  加藤秀樹

-------------------

大晦日にNHKの“紅白”をパラパラと見た。
新しい歌は全く知らないが、時折昔の歌が登場する。
聞いていると一つ気付いたことがあった。

最近の歌詞には、愛とか未来とか世界といった概念的な言葉が多い。それに比べて、以前の歌詞は具体的な描写が多い。
「北へ帰る人の群れは誰も無口で 海鳴りだけをきいている」といった具合だ。
人の様々な思いを歌に託すのはいつの時代も同じだ。しかし、託すものが違う。

「お酒はぬるめの燗がいい 肴はあぶったイカでいい」 
ぬるめの燗や、あぶったイカのような日常の本当に小さなことに託された思いも、その歌を聞いた人にとっては、人生の折々の大事な場面、体深く残っている感慨を想い起こさせる。そして歌を口ずさませる。

小さなことがらや、ちょっとした情景、その具体性が大勢の人を感動させ、共感を呼び起こさせるのだ。それは日々の生活のひとコマを多くの人が共有しているから、それぞれ自分の体験の中で、想いをふくらませることができるということだと思う。狂言や浄瑠璃、歌舞伎などの古典が私たちに感動を与えるのも同じだ。時代を超えた普遍性を持つのだ。

最近の歌とそれに感動する若者も、共有すること、共感を覚えているという点では同じなのだろう。ただ、共有することに生活感がない。
今や酒の燗をすることもイカをあぶることも滅多に無い。そんな面倒なことをしなくても、ずっと美味しいものが簡単に手に入る。

じゃあ一体何を共有しているのかなと思ってしまう。共有できるのは「もの」ではなく、それを得るための手間や、そこに至る過程ではないのか。生き物としての人間が本当に共有と言えるのは、身体、五感を使って得た体験、感覚ではないのだろうかと。

ゲームを通した共感、VRを通した共感もあっていいと思う。しかし、それだけでは結局「生きることの共有」にはなっていない。それでは、SNS上で片言隻句にバズるのと変わらないのじゃないかと思う。
構想日本言葉で言うと、人間関係のツルツル化だ。

今の時代、イカをあぶらなくてもいい。湯を沸かし、3分待ってカップ麺を作るのでもいいと思う。そういった日常のちょっとした手間、作業を大事にしたい。
日々の生活をできるだけザラザラに保ち、そのザラザラをこなす中に生まれる襞を共有することが大事だと思う。

今の日本人は世界の中で見ても、幸せと感じている人が少く、相談できる相手も少いという統計がある。
それも「生きることの共有」が少いからではないだろうか。
ことあるごとに「人材育成」という言葉を聞く。政府は「デジタル田園都市国家構想」でデジタル人材を230万人育成するという。
一体、人材の「材」とは何の材料なのだろうか。国家構想というのならば「材」の前にまず生き生きとした「人」を育てることが先決だ。

そんなことで構想日本は今年も日本のザラザラ化に奔走します。

■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■

【2】お知らせ

-------------------
(1)《自分ごと化対談》noteに登場! 

ゲストからの加筆を含め、動画とは一味違ったものになっています。どうぞご覧ください。

 「生命誌研究者 中村桂子氏×構想日本代表 加藤秀樹 」

【「命」か「経済」か? コロナ禍で顕在化した社会問題を『生き物としての人間』の観点で議論する】

こちらから →  https://note.com/hi_kato/n/n08df5c59b055

-------------------

(1)「自治みらい塾2022」受講生募集

オンライン×フィールドワーク研修で学ぶ「現場から地域、日本を変えるための考え方、手法」

自治みらい塾は、地方自治の先進事例を基に、多様なものの見方と実践的な知恵の出し方を学び合い、また同じ志を持つ横のつながりを作る場です。

■自治みらい塾 <3つのポイント>

・まちをどうしていくのか(福祉を軸にする? 観光に力を入れる? 何をやっていく?)
・まちの人たちの意思をどう反映していくのか
・財政はさらに厳しくなり国の支援も減る中で、どう自立していくのか

■日程(全3回・4日間)

第1回:1月23日(日)14時~17時(予定)【Zoomでのオンライン研修】
第2回:2月19日(土)10時~17時
    2月20日(日)10時~15時(予定)【現地&Zoomでのオンライン研修】※
第3回:3月26日(土)13時~17時(予定)【Zoomでのオンライン研修】
※第2回は福岡県大刀洗町で、1泊2日(現地)。

■受講料:25,000円(税込)※別途:旅費・宿泊費・食費等は各自ご負担ください。

■募集人数:定員25名

■応募資格:地域の課題解決や未来創造のために、考え行動したいと思っている人(年齢や役職等は問いません)

■プログラム概要:全回「オンライン(Zoom)」で受講可能。(後日、アーカイブ視聴も可)

■応募方法
・「Googleフォーム」からのお申込み こちら→ https://forms.gle/7MpwP2PqvfoMhc1D9
・HPから「申込み用紙」をダウンロードし、メール又はFAXでお申し込み こちら→ http://kosonippon.org/wp-manager/jicjimirai2022/

詳細はこちらから → http://kosonippon.org/wp-manager/jicjimirai2022/

確認事項、ご不明な点ついては、下記のお問合せにご連絡ください。

お問合せ・申し込み先 構想日本:永由、浮城
TEL:03-5275-5607 FAX:03-5275-5617 Email:jichimirai@kosonippon.org

-------------------

(2)『あなたも当たるかもしれない、「くじ引き民主主義」の時代へ』 伊藤 伸(著)

出版社:朝陽会 販売価格 1,100円(税込み)12月7日発売

尾崎行雄記念財団「咢堂ブックオブザイヤー2021 地方部門 大賞」受賞
こちらから → https://ozakiyukio.jp/gakudojuku/book2021.html

河野太郎氏(前行政改革担当大臣)推薦文より

「この本には、常に現場に向き合って課題を解決しようとする伊藤さんの本質が詰まっています。現場と制度、国と地方、官と民、あらゆるものをコーディネートできるのは伊藤さんしかいません。」

書籍販売ページ:https://www.gov-book.or.jp/book/detail.php?product_id=369105
Amazon書籍販売ページ:https://www.amazon.co.jp/dp/4903059669?ref=myi_title_dp

■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■

【3】12月の主な活動報告 政策実現活動、新聞・テレビ等メディア掲載 その他

-------------------

(1)政策実現活動

12月1日京都府長岡京市「第2回条例検討委員会」
12月11日群馬県太田市「第2回自分ごと化会議」
12月12日北海道清水町「清水町のミライを考えるまちづくりセミナー」
12月12日群馬県富岡市「第8回とみおか未来会議」
12月18日群馬県琴浦町「第4回みんなで考える家庭ごみ減量会議」
12月19日茨城県東海村「第5回東海村”自分ごと化”会議」
12月19日福岡県大刀洗町「第2回自分ごと化会議」
※その他、首長や自治体との打ち合わせ等 13件

(2)テレビ等メディア掲載

12月20日 NHK  原発再稼働の是非など住民が議論 村に提案へ 茨城 東海村|NHK 首都圏のニュース
12月20日 茨城新聞 原発、六つの提案議論 情報共有や避難計画 村民、最後の会合
12月20日 茨城新聞 web 茨城・東海村 原発、六つの提案議論 情報共有や避難計画 村民、最後の会合
12月20日 読売新聞 東海第二「情報格差解消を」「自分ごと化会議」村、事業者に求める
12月21日 朝日新聞 web 東海村の自分ごと化会議最終回 「原子力考えるきっかけ作り続けて」
12月21日 朝日新聞 原発「自分ごと化」提案骨子 避難計画や議論の場など六つの柱
12月21日 東京新聞 web 東海第二原発「建設的議論を」 東海村「自分ごと化会議」提案書案 再稼働是非、村民の意向把握が焦点
12月21日 東京新聞 東海第二原発「建設的議論を」
12月21日 日経新聞 東海第2原発巡り村民会議「まず避難計画策定を」
12月26日 北海道新聞 まちづくり自分ごとで考えて「くじ引き民主義」テーマ 本別出身・伊藤氏著書出版
12月28日 十勝毎日新聞電子版 まちづくりへの関わり学ぶ 清水でセミナー

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃■

【4】ご報告

 こちらのメルマガでお知らせしていたクラウドファンディングが、両方とも成立いたしました。
 皆様のご支援のおかげです。ありがとうございました。

 (1)熊谷美術館・熊谷家住宅 ~クラウドファンディング~

   目標金額300万 支援総額 8,102,000円

  https://readyfor.jp/projects/kumayaartmuseum?fbclid=IwAR2NtRry8XtSzGoyhxbrQexy_ZSBquTIRSqGEyrP7MAgEFWPvzVRhtpSrP0

 (2) 天岩戸「注連縄(しめなわ)張り」神事 ~クラウドファンディング~

   目標金額500万 支援総額 8,988,344円  

  https://camp-fire.jp/projects/view/508721

――――――――――――――――――――――――
*みなさんのご意見をお待ちしています。(800字以内でお願いします) info@kosonippon.org
いただいたご意見はバックナンバーと共に「読者の声」として今後HPに掲載予定です。また、メルマガにて抜粋掲載をさせていただくこともございます。
*不掲載をご希望の場合は必ずその旨を明記してください。氏名、肩書きは、特にご指示がなければそのまま掲載します。
匿名、ハンドルネームをご希望の場合は必ず明記してください。なお、盗作、名誉毀損、人権侵害、差別的な記述などの投稿は禁止いたします。
――――――――――――――――――――――――――
(編集後記)

明けましておめでとうございます。昨日は小寒、今日は東京も雪景色です。
童謡の「ゆき」を思い出し、口ずさみたくなるような情景です。
日本の四季は天からの授かりもの。今は冬を味わいたいと思います。
春夏秋冬、今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
◆J.I.メールマガジンは、構想日本の活動情報などをお届けする無料のメールマガジンです。1.代表及びスタッフが名刺交換させていただいた方、2.ホームページで直接申し込まれた方に配信しています。
◆登録・配信停止・アドレス変更は、 news@kosonippon.org へご連絡ください。
◆みなさんの個人情報は構想日本が厳重に管理し、構想日本の活動に関わるご案内をお送りする以外、使用することはありません。
◆転載をご希望の場合は、ご一報ください。
◆構想日本会員・寄付は、随時募集しております。
□■□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
発行 : 構想日本、発行責任者 : 加藤秀樹
Copyright(C) 1999-2022 構想日本 All rights reserved.
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□