- 【No.341】国のコントロール排除は「道路」から
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JIメールニュースNo.341 2008.3.14発行
国のコントロール排除は「道路」から
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◆◇ 目 次 ◇◆
1.【国のコントロール排除は「道路」から】
2.【第128回「J.I. フォーラム」のご案内】
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≪TOPICS≫
★構想日本ホームページで「ワンクリックアンケート」開催中。
「Q:「道路」の議論は尽くされたか?」にお答えください。
〔アンケート期間:2008/03/14(金) ~2008/03/24(月)〕
↓ ↓ ↓
http://kosonippon.org/wp-manager/enquete/index.php?m_enquete_cd=53
★前回の「ワンクリックアンケート」の投票結果が出ました。
質問は「Q:暫定税率は必要か? 不要か?」です。
↓ ↓ ↓
http://kosonippon.org/wp-manager/enquete/result.php?m_enquete_cd=52
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1.【国のコントロール排除は「道路」から】
構想日本政策スタッフ 伊藤伸
「真に必要な道路」
今国会の審議の中で再三出てきた言葉である。
道路特定財源・暫定税率をめぐる議論は、期限が迫る中、着地点は全く見
えない状況が続いている。
道路特定財源制度が始まった1954年は、道路財源は約240億円。現在は、
自動車台数の大幅増や石油危機を理由に導入された暫定税率により5.5
兆円(地方の一般財源等は除く)にも上る。道路密度は諸外国に比べて圧
倒的に高い。更に国分の財源は余り始めたから、使途を拡大して使い道を
探しているような現状を見れば、特定財源としての使命は既に終わってい
ることは明らか。ちなみに、政府は特定財源がなくなればバリアフリー化が
できなくなると言うが、スウェーデンは日本に比べて道路密度が3分の1、
見た目も決して「良い道路」ではないが、車イスの通行者がいれば周りの
人が手を貸すことが当たり前だから「福祉国家」と呼ばれる。お金をかけて
整備することだけがバリアフリーなのではない。
また「暫定」が30年以上続いていることも異常であって、暫定を廃止した上
で本則税率の水準の議論をしなければならないことも当然であろう。
しかしながら、多くの首長が地方に道路は「必要」と訴え、道路特定財源・
暫定税率は維持すべきだと主張している。地方の道路関連の事業費が、
道路特定財源の税収を大きく上回っていることが背景にある。ただし、肝心
なのは「必要」な道路の中身と、なぜ「必要」になっているのかを具体的に
見ることである。
例えば、地方の道路事業の中には、国道が建設されるがゆえに作らざる
を得ない道路(アクセス道路など)や、国の直轄事業の地方負担分も多い。
また、地方に裁量のない最近の国道建設の多くはバイパス道路だが、そ
れが中心市街地の空洞化を招いている。一方で、住民に最も密接に関わ
る生活道路は後回しにされている。
このように、地方の道路関連事業を個別に見ていけば相当な無駄が省け
る。国のコントロールによって削減できない事例も浮かび上がってくる。こ
の問題の本質は、国が地方に対して「カネ」「権限」「仕事」すべてをコント
ロールしている仕組みなのである。
国から補助金をもらうためには、時には必要以上の規格の道路を造らざる
を得ない。結果として地方負担分が重石になる。一方、地方が独自の基
準で道路整備をすると補助金は出ない。
これは道路に限ったことではない。暫定税率が廃止された場合、地方は
来年度予算が組めないことが懸念されているが、そもそも地方の予算編
成に国が関与していること自体がおかしい。突き詰めれば地方財政計画
の策定自体が問題なのである。
これらの問題を解決するためには、国と地方の明確な役割分担が必要で
ある。我々が進めている事業仕分けを国レベルでの実施が急務と言える。
(詳しくはhttp://kosonippon.org/wp-manager/project/list.php?m_category_cd=16)
「真に必要」な道路を決めるのは住民であり、密接に関わっている地方で
ある。国会で議論すべきは「地方の道路が必要だから特定財源が必要」
ということではなく、いかにして「必要」の判断を地方に委ねていくか、では
ないだろうか。
象徴でもある「道路」に関する国のコントロールを排除できれば、この国の
かたちは大きく変わることは間違いない。
※「道路」に関するワンクリックアンケートの結果もご覧ください。
●あなたの地域の道路整備はどのくらい必要ですか?
http://kosonippon.org/wp-manager/enquete/result.php?m_enquete_cd=51
●暫定税率は必要か? 不要か?
http://kosonippon.org/wp-manager/enquete/result.php?m_enquete_cd=52
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2.【第128回「J.I. フォーラム」のご案内】
“総特定財源化”を打ち破る
「道路は必要だ」「無駄な道路」。国会でもTVでもこのやり取りが続いています。
一体、「必要」かどうかはどこでどうやって決まっているのでしょうか。大まかに
言うと、国の中央集権的かつ網の目のような「決まり」が、「必要」な道路をつく
りあげているのです。
国の年間の税収総額の1割以上のお金を道路専用に使う道路特定財源の廃
止は当然でしょうが、実は今の日本では、国と地方のほとんどの行政サービス
が国の地方に対するコントロールの構造によって特定財源化しているのです。
どうすれば、この状態を打ち破れるのでしょうか。制度、現場両サイドで格闘中
のゲストに大いに議論していただきます。
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※企画内容の都合により、日時を変更させていただきました。
ご注意ください。ご迷惑をおかけし、申し訳ございません。
日 時 : 平成20年3月31日(月)
会 場 : 日本財団ビル2階 大会議室
港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111(代)
(http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html)
開 演 : 午後6時30分(開場:午後6時)
討論者 : 西寺雅也(前岐阜県多治見市長)
福嶋浩彦(前千葉県我孫子市長)
加藤秀樹(構想日本 代表) 他
主 催 : 構想日本
定 員 : 160名
フォーラム参加費 : 2,000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)
懇親会参加費 : 4,000円
(ご希望の方は下記懇親会参加に○印をつけてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「トラットリア・イ・プリミ 虎ノ門店」
港区虎ノ門2-2-1 JTビル1F TEL 03-3589-5812
(http://www.ep-tokyo.com/iprimi/toranomon/)
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参加ご希望の方は、3月30日までに出欠の是非を、下記のメールアドレス
にお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
お名前
所属
ご連絡先
懇親会に 参加する 参加しない
————————————————————–
*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田まで。TEL 03-5275-5607
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