【No.390】地域コミュニティの再構築
2009.03.06

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JIメールニュースNo.390  2009.3.6発行
地域コミュニティの再構築
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◆◇ 目 次 ◇◆
1.【地域コミュニティの再構築】
2.【第140回「J.I. フォーラム」のご案内】

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1.【地域コミュニティの再構築】
構想日本 非常勤スタッフ
平田麻莉
1月27日のJ.Iフォーラム、テーマは「貧困・格差の構造~20世紀
型資本主義社会の見直し~」。上田惇生氏、宮島理氏、山田昌弘氏を
パネリストに貴重なお話を聞いた。詳細な議事録は後日、構想日本ホ
ームページにアップされるので、ぜひご覧いただきたいのだが、まさに
格差問題で話題になりやすい若年層の一人である私が感じたことを、
簡単にお伝えしたい。
もう十分、貧困国といえる日本。フォーラムで一番印象的だったの
は、この問題は政府や企業経営のシステム的側面だけでなく、社会に
生きる一人ひとりのマインドやコミュニティの在り方も絡んでいると
いうことだった。
1点目の問題は、この50年間に平均的生活水準が向上した結果、
「自分の生活を豊かにすることに力を注げば良い」「なぜ自分の豊かさ
を削ってまで他人を豊かにしなければならないのか」という価値観が
生まれてしまったことだそうだ。
納得である。私は幼稚園生の頃にバブルが崩壊し、それまでのバブル
全盛期の豊かさを少しでも守ろうと個々人が自分の生活確保に必死な
状態だったのだろう。確かにそのような価値観が社会の中核を陣取り、
たとえばお受験ブームが巻き起こるなど、そんな時代に育ってきた。
2点目は、コミュニティの階層化が進んでいることだ。引越しも転職
も当たり前になった今、最初に定められた地理的もしくは会社コミュ
ニティに属し続けることは少なくなった。一人ひとりがコミュニティ
を選択できるようになって、コミュニティが階層化すると、相互扶助
のようにコミュニティを頼りに格差を防ぐことは、なかなか難しい。
ネット化、クロスボーダー化が進んで世界が拡がっているようでいて、
実は一人ひとりにとってのコミュニティは益々狭くなっているのかも
しれない。
私自身、父の転勤で4回引越しを繰り返し、その度に新たな出会いと
別れを経験したが、今も継続して付き合いがあるのはどうしても一部
に限られてしまう。私たちの世代はmixiのようなSNSのおかげで、エ
リアや勤め先の制約を越えていつでもオンライン上で簡単に自分の友
人たちと繋がっていられるから、コミュニティの幅が拡がったような
気がしている。しかし、逆を言えば、それは自分の意思で自由にリン
ク、削除のできる人間関係であり、その空間以外の人は、たとえマン
ションの隣人であっても関わりを持つ必要を感じずに無関心でいると
いう傾向がある。
1月6日付け日経新聞「経済教室」で村上龍が、現在の信用・信頼収
縮を打破する鍵は、高度成長期に失われた「環境」と「親密で小規模
な共同体」を新しく再構築し、そのビジョンを共有することだと書い
ていた。これは上記の話と繋がるかもしれない。
この「親密で小規模な共同体」を蘇らせるための私の考えを以下に述
べる。次の3点が必要だと思う。
1)地方経済の自立と活性化
人々が地元に根付くため、自治体による地方の中小企業支援や、
東京に本社を置く大企業によるノマド的ワークスタイル推奨を進める。
2)複数世帯家族の推奨
三世帯家族への補助金などで一人暮らしや核家族の増加を抑制し、
コミュニティの最小単位である家族を尊重する。
3)道徳教育の見直し
哲学や思想、歴史なども含め、「人間の在り方」を教えていく教育を
再考する。(相互扶助や倫理など、コミュニティを生きる上でのマイ
ンドを育てるのは戦後「道徳」科目に委ねられたが、最近の大人・青
少年双方による事件やコミュニティ意識の希薄化をみるに、十分機能
していないようにも思える。昨今は「実践的」と言ってすぐ実利に結
びつく教育が重要視されがちだが、それでは先行きが不安である。)
以上が、私が考える「親密で小規模な共同体」、コミュニティを復活
させるために必要なことである。日本の「貧困」を解決するためには、
国をあげての、企業が率先しての、あらたな取り組みが早急に必要だ
ろう。
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2.【第140回「J.I. フォーラム」のご案内】
「派遣村」から見えて来たもの
~ 今、社会保障制度の見直しが問われている ~ (仮)
★今回は会場が変わります。ご注意ください★
日 時  : 平成21年3月23日(月)
会 場  : グランドアーク半蔵門  3F 光の間
千代田区隼町1番1号 TEL 03-3288-0111 (代)
(http://www.grandarc.com/access/access.htm)
開 演  : 午後6時30分(開場:午後6時)
ゲスト  :宇都宮 健児(弁護士)
湯浅 誠 (派遣村村長/
NPO法人自立生活サポートセンター もやい事務局長)
首都圏青年ユニオンやフリーター全般労働組合など、
現場の方々調整中
主 催  : 構想日本
定 員  : 160名
フォーラム参加費 :2,000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)
懇親会参加費   :4,000円
(ご希望の方は下記懇親会参加に○印をつけてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「アイニンファンファン」 Tel 03-5210-3587
千代田区麹町1-7 相互半蔵門ビルB1F(グランドアーク向かいのビル)
————————————————————–
参加ご希望の方は、3月23日午前中までに出欠の是非を、下記の
メールアドレスにお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
お名前
所属
ご連絡先

懇親会に     参加する      参加しない
————————————————————–
*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下明美まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田陽光まで。TEL 03-5275-5607

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