【No.666】「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第二弾 『京都祇園祭』」 |至学館大学・伊達コミュニケーション研究所長  石田 芳弘氏|
2014.08.07

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J.I.メールニュース No.666 2014.08.07発行

「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第二弾 『京都祇園祭』」

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【1】<巻頭寄稿文>

「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第二弾 『京都祇園祭』」

至学館大学・伊達コミュニケーション研究所長 石田 芳弘

【2】<お知らせ>

(1)第203回J.I.フォーラム  8月25日(月)開催

「地方議員―どん底から反転へ」

(2)大刀洗町「住民協議会」(第2弾・第2回) 8月10日(日)開催

住民自治、民主主義の原点回帰

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【1】「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第二弾 『京都祇園祭』」

至学館大学・伊達コミュニケーション研究所長 石田 芳弘

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「祭」という言葉は随分広い意味で使われている。

そこで、私が使う祭の概念をまず規定させていただく。

今後私がお伝えする祭は、英語で言うセレモニーに限る。世に氾濫するイベントやフェスティバルの類は除外する。要するに、宗教的な祭礼行事を伴う祭に限らせていただく。また、祭という文字だが、「祭り」と送り仮名は使わず、漢字一字の「祭」とする。そもそもこの祭という文字は神職が祭壇にお供えを差し出した時の象形文字であり、スピリチュアルな美しい文字だ。

日本列島津々浦々に存在する祭は、行われる季節、時期もその祭の動機に関係してくる大切な要素だ。

私が提案したいのは、祭を見学したら、町並も注意を込めて観察して欲しいということ。祭と町を不離一体に捉えると、祭とコミュニティの因果関係が理解できる。「祭が町を育て、町が祭を育む」というのが私の持論であり、祭とコミュニティの研究を深めてみたいと考えた所以でもある。

そんなことを考えながら京都祇園祭を見学した。京都という大都会、7月の猛暑、むっとするような人いきれの渦中にいると、平安京の人々がなぜこの祭を始めたかが読めてくる。疫病の流行忌避を神に祈ったのが祇園祭の起源だ。この祭を主宰する祇園の産土※1である八坂神社には幾柱※2もの神が存在するが、なかでもスサノオノミコトがスパースターだ。私は、日本の神々の中でこのスサノオに一番魅かれる。彼こそ日本神話のトリックスター※3である。

今年は後祭が半世紀ぶりに復活し、大船鉾が150年ぶりに巡航参加というトピックスがあったので、前祭(さきまつり)後祭(あとまつり)の両方を観に行った。

日本の祭は神を迎えて祭祀し、鎮めて送ることを基本とする。京都市は戦後車社会の都市化に伴い、面倒なことは省き基本を簡略化し前祭・後祭を合体したのだが、その重要性に気づき、もう一度基本に戻し「神送り」を復活した。

これを主導したのは「祇園祭山鉾連合会」理事長の吉田孝次郎さんだ。私はこの方を風貌もひっくるめ、敬愛の念を込めて、イスラームシーア派の指導者だと内心思っている。彼は染色織物の研究者でもある。祇園祭の山鉾の文化財としての際立った価値は幕・織物類であり、それが京都の伝統的な地場産業と深く結びついてきた。

祇園祭の山鉾巡航を観、八坂神社に参拝し、祇園界隈の町屋を見学し、吉田孝次郎さんと会話し、京都という町と祇園祭に流れる通奏低音「不易と流行」が耳に残った。

※1 その土地の守護神。

※2 神は一柱、二柱と数える。

※3 神話や民間伝承に現れるいたずら者。秩序の破壊者でありながら一方で創造者であり、善と悪など矛盾した性格の持ち主で、対立した二項間の仲介・媒介者の役目を果たす。

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石田 芳弘(いしだ よしひろ)

愛知県議会議員、犬山市長、衆議院議員など、地方、中央の政治と行政を経験。特に教育、文化行政に力を入れた。「まちは生涯学習の最良の教室である」というのが持論であり、学校教育も生涯学習の一環であると考え、市民が教師の総合学習や全市博物館構想を推進。また、シンクタンクの研究員として先進国の地方議会を視察、研究。我が国地方議会も議院内閣制を導入すべしという、地方議会改革論議のオピニオンリーダーである。

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【2】(1) 第203回J.I.フォーラム  8月25日(月)開催

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「地方議員―どん底から反転へ」

ずい分前から、地方議会の機能不全、信頼の低さは指摘されていました。それにしてもです。耳を疑うような不祥事が続きます。

大事なのは、これは「他人事」ではないということです。私たちが彼らを選んだという意味でも、私たちの莫大な税金が彼らによって使われ、使い途を決められているという意味でも。

幸い全国で35,000人いる地方議員の中には志も能力も高い議員が少数ながらいます。

今回は、このどん底の地方議会を再生させねば、という熱い思いをもつ議員に、所属政党、地域、年齢などの違いを超えて、議論をしていただきます。

大勢の方に「自分事」として参加していただくことを期待しています。

◯日 時 : 8月25日(月)18:30~20:30(開場18:00)

◯会 場 : 日本財団ビル2階 大会議室  港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111

◯ゲスト : 越田 謙治郎 (兵庫県議会議員)

金野 桃子 (戸田市議会議員)

松丸 修久 (守谷市議会議長)

村上 幸一 (北九州市議会議員)

柳澤 亜紀 (港区議会議員)  他

◯コーディネーター : 加藤 秀樹(構想日本 代表)

◯主 催 : 構想日本

◯定 員 : 160名

◯参加費 : 一般 2,000円 / 学生 500円 (構想日本会員は無料です)
※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。

◯懇親会参加費 : 4,000円(ご希望の方は懇親会参加と明記してください)

※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「頤和園(いわえん)溜池山王店」 港区赤坂1-1-12 TEL 03-3584-4531

※フォーラムへの参加はHPのフォームから、もしくはこのメールにご返信をお願いします。
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(2) 大刀洗町「住民協議会」(第2弾・第2回)8月10日(日)開催

住民自治、民主主義の原点回帰

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「住民協議会」は、自治体の重要な課題について、住民自身が問題を整理し、解決策を考え、それを行政に生かすという取り組みです。 無作為に抽出した住民1000人に案内を送付し、応募のあった人の中から47人に協議会の委員になってもらっています。司法における裁判員制度と同様の仕組みです。

この協議会では、まず「個人でできること」、次に「地域でできること」を考え、最後に「行政で取り組むべきこと」を考えます。

第1弾の「ゴミ問題」に続いて、第2弾は「地域包括ケア」です。 その1回目(7/12開催)に、高齢者の介護予防や生活支援についての基本的な情報を確認しました。今回は地域や住民に何ができるか議論します。

住民による自治、民主主義の最先端がここにあります。ぜひ傍聴してください。

― 開 催 概 要 ―

大刀洗町「住民協議会」 第2弾:地域包括ケア

【日  時】  第2回: 8月10日(日) 9:00~12:00
(3班に分かれて議論、全体での意見交換)

第3回: 9月13日(土)13:00~16:00
(報告書の叩き台をもとに議論、意見集約)

【会 場】  大刀洗町役場(大刀洗町大字冨多819番地)
※会場についてのお問い合わせは
大刀洗町総務課まで(0942-77-0101)

【主 催】  大刀洗町

【協 力】  構想日本

【参加者】  大刀洗町住民協議会委員(大刀洗町民 47名)
構想日本:コーディネーターおよび解説役
大刀洗町職員

※お問い合せ 構想日本 伊藤/田中 TEL:03-5275-5607

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