【No.738】「 福祉国家×民主主義×経済成長  の先へ 」|代表  加藤 秀樹|
2016.01.07

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J.I.メールニュース No.738 2016.01.07 発行

「 福祉国家×民主主義×経済成長  の先へ 」

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【1】<年頭挨拶文>

「 福祉国家×民主主義×経済成長  の先へ 」

代表  加藤 秀樹

【2】<お知らせ>

(1) 第220回J.I.フォーラム  1月28日 開催

「産業革命から「1.5℃」の気温上昇! 可能か。できなければどうなる。」

(2) 1月19日(火)構想日本「会員懇談会」開催

(3) 今後の構想日本の活動

(4)「現場みらい塾」 第3期 開催中

【3】構想日本 2015年12月の主な 政策実現活動

【4】構想日本 2015年12月の主な 新聞・テレビ等メディア掲載

【5】<御礼>

日本ラオス合作映画製作費のクラウドファンディング 達成

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【1】 「 福祉国家×民主主義×経済成長  の先へ 」

代表  加藤 秀樹

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あけましておめでとうございます。

年頭から大袈裟なようですが、社会のなりたちについてこんなことを考えてみました。

私たちの多くが持っている国家のイメージは、国民の生活の安定と一定レベルの保障を国が担うという意味での「福祉国家」でしょう。そして、国の事業の内容を決める政治のしくみが代議員制による「民主主義」であり、それを財政的に担保するのが「経済成長」という組み合わせが、いわゆる先進諸国の枠組みなのだと思います。

ところが、この三つの要素それぞれが、互いに他の要素の基盤を蝕む状況が生じ、その結果この組み合わせが機能しなくなりつつあるような気がするのです。

日本などで国が提供する福祉のレベルは全体としてはいわゆるベーシック・ヒューマン・ニーズをかなり超えていますが、国民はさらに上を求めています。また、高齢社会、経済格差の拡大、独居化などによる新しい福祉ニーズも次々生じています。

それらについて議論すべき民主主義のしくみは、有権者の様々な要求に応えようと、政権の如何を問わず、国の如何を問わずバラマキ的傾向を強くしています。やや誇張気味な言い方をすると、国民の要求合戦、政党、政治家の応答合戦みたいになりがちです。日本の場合、ここに行政機関の分捕り合戦が加わります。

一方で、この拡張の連鎖を財政的に支えるべき経済は、先進国の場合、成熟社会であること、新興国、途上国などに対する優位性が小さくなっていることなどの理由で、もはや大きい成長は期待できそうにありません。その結果、多くの国で財政が不健全な状況が続いています。加えて、経済の効率化を強く進めると、格差の拡大など、新たな福祉対象も生じます。

近代民主主義は、国民すべてが個人のことだけでなく社会全体のことに関心を持ち、その関心に基づいて投票するというのが大前提ですが、個人の生活が豊かになるに従って全体のことに対する関心が薄れるという傾向は、日本を筆頭に多くの先進国で見られるようです。

また、高度な福祉国家になればなるほど、行政システムやルールが複雑精緻になり行政コストさらには社会的なコストも大きくなります。

このように見てくると、私たちは、目の前の財政改革、行政改革、景気対策といったレベルではなく、国家、民主主義、経済のあり方をもっと根底から考えないといけない時代に来ているのではないでしょうか。

最近のテロや国際紛争にも、上に述べたしくみをうまく回すために一部の国が他の国を犠牲にしてきたという背景があると思います。

構想日本が続けている「自分事」化活動は、このような大きな動きの中ではささやかですが、草の根レベルで具体的な形を示し、積み上げていこうというものです。

構想日本一同こんなことを考えながらやっています。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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*みなさんのご意見をお待ちしています。(800字以内でお願いします)
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【2】(1)第220回J.I.フォーラム  1月28日 開催

「産業革命から「1.5℃」の気温上昇! 可能か。できなければどうなる。」

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昨年末、COP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)が「パリ協定」を採択しました。

この会議が始まって20年目にしてすべての締約国(195カ国)が「産業革命前からの世界平均気温の上昇を2℃より低く抑え、1.5℃を目指そう」と決めたのは画期的です。

これは、二酸化炭素など温室効果ガスの具体的な抑制量は各国に委ねられるとしても、災害、文化、経済など様々な面で世界全体が温暖化の行く末に危機感を持っていることの現れでしょう。

私たちはこれをどう受け止め何をすべきなのか、一般財団法人地球・人間環境フォーラムとの共催で、2人の異なる分野の専門家の話を伺いながら一緒に考えたいと思います。

◯日 時:平成28年1月28日(木)  18:30~20:30(開場18:00)

◯会 場:日本財団ビル2階 大会議室  港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111

◯ゲスト:岩谷 忠幸 (気象キャスターネットワーク)

水口 哲 (博報堂)   他

◯コーディネーター:加藤 秀樹(構想日本代表)

◯主  催:構想日本

◯共  催:一般財団法人地球・人間環境フォーラム

◯定  員:160名

◯参加費:一般 2,000円 / 学生 500円 (構想日本会員は無料です)
※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。

◯懇親会参加費:4,000円(ご希望の方は懇親会参加とお申込み時に明記して下さい)
※フォーラム終了後、ゲストを囲んで、懇親会を開催いたします。

「頤和園(いわえん)溜池山王店」港区赤坂1-1-12 TEL 03-3584-4531

※フォーラムへのご参加は1月27日(水)18:00まで info@kosonippon.org  にお願いします。

お申し込みはこちらから http://kosonippon.org/wp-manager/forum/index.php

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(2) 1月19日(火)構想日本「会員懇談会」開催

構想日本は毎年、会員の皆様を対象にした懇談会を行なっています。今年は1月19日(火)18時半から開催します。

構想日本の大きな特色は、政治、行政はもとより文化やエンターテイメントなど多様な分野で活躍している方々とともに活動していることで、本懇談会でもそのような方々にもご参加いただいています。

この会を通じて普段ないような出会いの機会もあると思います。

会員の皆さん、是非ご参加ください。また会員ではない方も、参加を機に会員になっていただければと思います。ご検討ください。

【構想日本会員懇談会】

◯日 時: 1月19日(火)18:30~

◯場 所: グランドアーク半蔵門 4F 光の間 東京都千代田区隼町1-1
03-3288-0111

会費等詳細は、お問い合わせください。 事務局 木下 まで

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(2)《今後の構想日本の活動》

《行政関係》

2016年2月13日(土) 茨城県 行方市「第6回なめがた市民100人委員会」

2月28日(日) 福岡県 大刀洗町事業仕分け

今年度の実施一覧はこちらからご覧いただけます→ http://kosonippon.org/wp-manager/blog/?page_id=145

《その他》

2015年10月~隔週月曜日 京都大学経済学部 「公共経営論2」講義 (代表 加藤秀樹)

公共政策の各論を毎回ゲストの講義で進めています。これまでのゲストは、

衆議院議員 河野 太郎氏、京都信用金庫 理事長 増田 寿幸氏、株式会社商工組合中央金庫 執行役員 小林 利典氏、財務省 近畿財務局長 武内 良樹氏、財務省 主税局主税企画官 関 禎一郎氏、厚生労働省 社会・援護局福祉基盤課福祉人材確保対策室長 榊原 毅氏、南日本ヘルスリサーチラボ代表・医師・前夕張市立診療所長 森田 洋之氏、前松阪市長 山中 光茂氏、浜松市長 鈴木 康友氏、外務省 高田 真理氏、小西美術工藝社 アトキンソン・デービッド・マーク氏。

次回は、元ラグビーワールドカップ日本代表 平尾 剛氏。

2015年9月~毎週木曜日 法政大学 「NPO論II」講義 (総括ディレクター伊藤伸)

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(3)「現場みらい塾」 第3期 募集中

政策シンクタンクPHP総研と共同で昨年度スタートした「現場みらい塾」。

その特徴は、

1.地域経営の第一線で活躍している講師陣

2.最先端の政策や手法のトレンドを学びとる講義プログラム

3.自ら考え、取り組むことで体得する実践プログラム

昨年の第1期受講生の反響と要望の大きさを考え、今年度は第2期(5月~8月)に続き、第3期(11月~2016年2月)を開講することとしました。

自治体職員を主な対象としていますが、それ以外の方も参加可能です。是非お申込みください。

また、講義は4回ですが、内容は毎回独立していますので1回づつの参加もできます。

『第3期』は次の通り  ※日程が変更になりました

第3回:2016年1月16日(土)10時~18時
第4回:2016年2月6日(土)13時~18時半、7日(日)10時~16時

その他詳細はこちら

http://research.php.co.jp/event/2015/11/22.php

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【3】構想日本 2015年12月の主な 政策実現活動

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事業仕分け、地方版事業レビュー、地方創生に関する戦略づくりなど長期的に行政を市民、住民目線にし、改革をしていくという意味で、構想日本にとっては重要な政策実現業務です。

12月 6日 茨城県 行方市 「第5回なめがた市民100人委員会」

12月11日 千葉県 富津市 「第6回富津市創生会議」

12月11日 千葉県 白井市 「第2回白井市行政経営有識者会議」

12月15日 茨城県 那珂市 「平成27年度初級職員第1部課程研修」

12月19日 茨城県 行方市 「第2回なめがた市民100人委員会幹事会」

12月22日 三重県 松阪市 「第5回松阪市営住宅あり方検討委員会」

※その他、首長や自治体との打ち合わせ等 4件

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【4】構想日本 2015年12月の主な 新聞・テレビ等メディア掲載

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12月1日(社説)予算の見直し 主導するのは政治だ 朝日新聞

12月8日 福岡県/世代 Next=高校生参加 議論に新風 大刀洗町の住民協議会 「18歳選挙権」受け/筑後マガジン 西日本新聞

12月11日 白井市外部の目で行革 有識者会議設置 10億円の基金目標 朝日新聞

12月24日 ポスト「京」は省エネ重視 文科省、スパコン「最速」固執せず 日本経済新聞電子版ニュース

12月26日 核心 行政レビュー 予算反映 原発・五輪便乗バッサリ 東京新聞

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【5】<御礼>

日本ラオス合作映画製作費への寄付

クラウドファンディングが達成いたしました。

支援総額 3,453,000円 https://readyfor.jp/projects/japan-laos-movie

皆様のご支援、ありがとうございました。

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