- 【No.740】「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第十二弾 国府宮はだか祭」 |至学館大学・伊達コミュニケーション研究所長 石田 芳弘氏|
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J.I.メールニュース No.740 2016.01.21 発行
「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第十二弾 国府宮はだか祭」
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【1】<巻頭寄稿文>
「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第十二弾 国府宮はだか祭」
至学館大学・伊達コミュニケーション研究所長 石田 芳弘
【2】<お知らせ>
(1) 第220回J.I.フォーラム 1月28日 開催
「産業革命から「1.5℃」の気温上昇! 可能か。できなければどうなる。」
(2) 今後の構想日本の活動
(3)「現場みらい塾」 第3期 開催中
【3】<ご紹介>
第215回J.I.フォーラム「で、どうする ー 新国立競技場」のゲスト 山嵜 一也様からのお知らせ
(1)「津田大介 日本にプラス」 テレビ朝日 CS2
(2) 東京文化資源会議第2回公開シンポジウム
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【1】「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第十二弾 国府宮はだか祭」
至学館大学・伊達コミュニケーション研究所長 石田 芳弘
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国府宮とは愛知県稲沢市にある神社だ。
正式には尾張大國霊(たま)神社という。つい明治まで、われわれ日本人にとっては尾張とか三河とか美濃が国の概念であり、尾張国の御霊(みたま)を祀る神社であった。
神社名からして我々はもはや奈良時代のレイヤー(地層)に入っていく。
楼門は足利時代、拝殿は徳川初期の建立と聞く。境内に磐境(いわくら)と言って、そもそも原始宗教の時代は構築物を建てず、神が降りてくる岩や木を拝んでいた時代の名残を留める巨石群がある。いかにも聖域と呼ぶに値するおごそかさと権威を感じさせる。
はだか祭は儺追(なおい)神事である。日本民族の原始宗教である神道は経典というものがない。
神様の姿は見えないし、教えも戒律も何もない。汚れを祓い、清める行為だけが貴い。その行為を行うのが祭であり、祭自体が信仰の伝道である。
我々は祭を実践することによってのみ、柳田国男の言葉を借りると「飛び石のように」縄文の昔からの魂を受け継ぐ。
国府宮はだか祭は一人の神男の体に触れることによって難から逃れ、お祓いを受け、清められ、生命が蘇生するのだ。
神男は公募によって募集し、くじ引きで決められる。問題はこの神男に触れようとして押しかける裸男たちの多さとその心理状態にある。稲沢市の近郷近在から三千人余の裸男が参集する。
私は若い頃3度裸男を経験した。旧暦正月にやるわけだから何せ寒い。しかも、薄い晒の褌一丁だ。まず、一杯ひっかけなければとてもやってられない。
だから初めから理性はほぼマヒしている。そういうアナーキーな裸の大集団が、救済を求める宗教的な本能で、必死に神男めがけて押し寄せる。野性に目覚めたエネルギーがスパークする。
「何と野蛮な神事!」初体験時の直感だ。
裸男たちはそれぞれのサークルごと大型バスなどで来るが、神社の近所には宿と称して自宅を貸してそこで裸になって参加する者もある。
国府宮神社のすぐ傍に先輩の県議会議員宅があり、かつて私はそこを宿に参加した。愛知県議会議長を務めた久保田英夫さんは私にこういった。
「神男は押し寄せ渦巻く群衆に揉まれ二,三回失神するらしいぞ。踏み倒され、肋骨を折って死んだ奴もある。選挙の候補者と似てる!」
最後の一言が真に迫り、神男の心境はたちどころに理解した。
ドラマは昼ごろから前奏曲のように諸行事が進み、徐々に鼓動が高まっていく。夕闇が迫るころ、神男が裸の大集団に飛び込み、一瞬にして静から動に転ずる。神男を中心にし、神が憑依したように暴れ狂う裸男たちの巨大な渦は、別途組織された男たちが手桶から冷水をかけることによって乱れ、激しく揉み合いを繰り返し、神男は難追い殿に到達、結末を迎える。
国府宮はだか祭が終わると、春の風が吹いてくるのもいい。
今年 平成28(2016)年 お祭りは 2月20日
詳細はこちらから http://www.konomiya.or.jp/main/hadakamatsuri
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石田 芳弘(いしだ よしひろ)
愛知県議会議員、犬山市長、衆議院議員など、地方、中央の政治と行政を経験。特に教育、文化行政に力を入れた。「まちは生涯学習の最良の教室である」というのが持論であり、学校教育も生涯学習の一環であると考え、市民が教師の総合学習や全市博物館構想を推進。また、シンクタンクの研究員として先進国の地方議会を視察、研究。我が国地方議会も議院内閣制を導入すべしという、地方議会改革論議のオピニオンリーダーである。
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【2】(1)第220回J.I.フォーラム 1月28日 開催
「産業革命から「1.5℃」の気温上昇! 可能か。できなければどうなる。」
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昨年末、COP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)が「パリ協定」を採択しました。
この会議が始まって20年目にしてすべての締約国(195カ国)が「産業革命前からの世界平均気温の上昇を2℃より低く抑え、1.5℃を目指そう」と決めたのは画期的です。
これは、二酸化炭素など温室効果ガスの具体的な抑制量は各国に委ねられるとしても、災害、文化、経済など様々な面で世界全体が温暖化の行く末に危機感を持っていることの現れでしょう。
私たちはこれをどう受け止め何をすべきなのか、一般財団法人地球・人間環境フォーラムとの共催で、3人の異なる分野の専門家の話を伺いながら一緒に考えたいと思います。
◯日 時:平成28年1月28日(木) 18:30~20:30(開場18:00)
◯会 場:日本財団ビル2階 大会議室 港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111
◯ゲスト:岩谷 忠幸 (気象キャスターネットワーク)
亀山 康子 (国立研究開発法人 国立環境研究所)
水口 哲 (博報堂)
◯コーディネーター:加藤 秀樹(構想日本代表)
◯主 催:構想日本
◯共 催:一般財団法人地球・人間環境フォーラム
◯定 員:160名
◯参加費:一般 2,000円 / 学生 500円 (構想日本会員は無料です)
※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。
◯懇親会参加費:4,000円(ご希望の方は懇親会参加とお申込み時に明記して下さい)
※フォーラム終了後、ゲストを囲んで、懇親会を開催いたします。
「頤和園(いわえん)溜池山王店」港区赤坂1-1-12 TEL 03-3584-4531
※フォーラムへのご参加は1月27日(水)18:00まで info@kosonippon.org にお願いします。
お申し込みはこちらから http://kosonippon.org/wp-manager/forum/index.php
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(2)《今後の構想日本の活動》
《行政関係》
2016年2月13日(土) 茨城県 行方市「第6回なめがた市民100人委員会」
2月28日(日) 福岡県 大刀洗町事業仕分け
今年度の実施一覧はこちらからご覧いただけます→ http://kosonippon.org/wp-manager/blog/?page_id=145
《その他》
2015年10月~隔週月曜日 京都大学経済学部 「公共経営論2」講義 (代表 加藤秀樹)
公共政策の各論を毎回ゲストの講義で進めました。ゲストは、
衆議院議員 河野 太郎氏、京都信用金庫 理事長 増田 寿幸氏、株式会社商工組合中央金庫 執行役員 小林 利典氏、財務省 近畿財務局長 武内 良樹氏、財務省 主税局主税企画官 関 禎一郎氏、厚生労働省 社会・援護局福祉基盤課福祉人材確保対策室長 榊原 毅氏、南日本ヘルスリサーチラボ代表・医師・前夕張市立診療所長 森田 洋之氏、前松阪市長 山中 光茂氏、浜松市長 鈴木 康友氏、外務省 高田 真理氏、小西美術工藝社 アトキンソン・デービッド・マーク氏、元ラグビーワールドカップ日本代表 平尾 剛氏。
2015年9月~毎週木曜日 法政大学 「NPO論II」講義 (総括ディレクター伊藤伸)
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(3)「現場みらい塾」 第3期 募集中
政策シンクタンクPHP総研と共同で昨年度スタートした「現場みらい塾」。
その特徴は、
1.地域経営の第一線で活躍している講師陣
2.最先端の政策や手法のトレンドを学びとる講義プログラム
3.自ら考え、取り組むことで体得する実践プログラム
昨年の第1期受講生の反響と要望の大きさを考え、今年度は第2期(5月~8月)に続き、第3期(11月~2016年2月)を開講することとしました。
自治体職員を主な対象としていますが、それ以外の方も参加可能です。是非お申込みください。
また、講義は4回ですが、内容は毎回独立していますので1回づつの参加もできます。
『第3期』は次の通り ※日程が変更になりました
第4回:2016年2月6日(土)13時~18時半、7日(日)10時~16時
その他詳細はこちら
http://research.php.co.jp/event/2015/11/22.php
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【3】<ご紹介>
構想日本が応援している活動に関するお知らせです。
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第215回J.I.フォーラムゲスト 山嵜一也様からのお知らせです。
(1)「津田大介 日本にプラス」出演 テレビ朝日 CS2チャンネル
東京五輪に向けてロンドン五輪からの提言を50分ほど語ります。
http://www.tv-asahi.co.jp/ch/contents/info/0051/
2016年1月26日 (火) よる11:10-深夜0:00
「“新国立問題”第4弾『ロンドンは既存施設を活用した!』…ロンドン五輪に携わった建築家が語る」ゲスト:山嵜一也(建築家)
(2) 東京文化資源会議第2回公開シンポジウム
「2030東京ビジョン―3区長、大いに語る」
◇日 時:2016年2月4日(木)13時(入場12時半)~15時30分(予定)
◇会 場:有楽町朝日ホール(有楽町マリオン11階)
◇内 容(抜粋):基調講演「東北の再生を東京の文化資源から考える」隈研吾(建築家、東京大学教授)
パネルディスカッション 山嵜一也氏、吉見俊哉氏、石川雅己氏(千代田区長)、成澤廣修氏(文京区長)、服部征夫氏(台東区長)
◇定 員:600名
◇参加費:無 料
申し込み、締切等、詳細はこちらから http://tohbun.jp/event/
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