- 【No.826】シリーズ島と道(3)「離島」はほんとうに過疎化しているのか|島研究家 片桐 幸雄氏|
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J.I.メールニュース No.826 2017.09.21 発行
シリーズ島と道(3)「離島」はほんとうに過疎化しているのか
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【1】<巻頭寄稿文>
シリーズ島と道(3)「離島」はほんとうに過疎化しているのか
島研究家 片桐 幸雄
【2】<お知らせ>
(1) 第240回J.I.フォーラム 10月25日(水)
「タイトル・未定」
(2) 岐阜県 羽島市にて初の開催 「事業仕分け」
9月23日(土)、24日(日)
(3) 兵庫県 加古川市 「公開事業評価」
9月30日(土)、10月1日(日)
(4) 群馬県 太田市で初開催 構想日本式「住民協議会」
10月28日(土)
(5) その他の構想日本の活動
(6) Yahoo!ニュースオーサー 記事投稿
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【1】 シリーズ島と道(3)「離島」はほんとうに過疎化しているのか
島研究家 片桐 幸雄
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「持続可能な地域社会総合研究所」という、島根県益田市所在の民間の研究所がある。その研究所が今年の8月21日に面白い研究結果を発表した。2010年から2015年の間にどれだけの人口変動があったかを国勢調査を用いて自治体別に分析したものである。
高齢者(2015年で70歳以上)を除く過疎指定市町村・実質社会増加率の上位10市町村は末尾の通りである(結果的に「市」はゼロであった)。7位の高知県大川村(愛媛県との県境にある山村)以外は全部「離島」である。
離島は過疎化が本土より早く進むと思われているだけに、意外な感がある。
新聞記事(宮崎日日新聞、8月22日)によると、同研究所の藤山浩所長はその原因を、これらの島が「子育て環境を重視して」いるため、家族ぐるみの移住が進んでいることにあるとみているようだ。
「子育て環境を重視して」いるのは、何も「離島」に限ったことではないと思う。これらの「離島」の社会増加率が増えているのは、子育て環境以外の要因があるからであろう。この研究結果からはそれがなんであるかはわからないが、「離島」にしかない要素が作用しているように思えてならない。
それが何であるかはともかく、「離島」だから人口減はやむを得ないという考えは間違っているようだ。むしろ逆に「離島」であるが故に人口(縮小阻止)対策が容易になると考えた方がいい。この場合すぐに思い浮かぶのが、行政単位の規模の小ささと、自然の豊かさ、そして濃密な共同体関係の存在である。これらの「離島」特有の要素が人口の社会増にどのように寄与しているか(阻害要因になっている可能性も否定できないが)、それを追求していく中で「離島」の人口対策の道筋も見えてくるのではないか。
2位の粟島浦村を除く8町村が西日本に偏っているのは、多分気候の関係であろう。寒さや積雪が移住(居住)にあたっての大きな阻害要因になるのは、事実である。住むのなら、温暖な気候の方がいいに決まっている。しかし粟島浦村(佐渡の北西の日本海に浮かぶ小さな島、粟島が行政区である)の事例は、そのようなハンディにもかかわらず人口を増やすことが可能だということを示している。
人口を増やす際の離島の利点を考えてみよう。最初に思い浮かぶのは、離島の広さである。ギリシャの哲学者アリストテレスは「ポリスは市壁からの助けを求める叫び声が聞こえないほど広いものであるべきではない」と言ったという(ブクチン『エコロジーと社会』241頁)。そんな地域組織は、現代の日本では現実には町内会か自治会しかないが、離島の「狭さ」「小ささ」は、ある程度それに近い状況を生み出す。小さい離島ならば、島中を歩いて行けるかもしれない。そういうところでは、人間同士の結びつきが濃密になる。この空間としての地域社会の小ささとそこから生まれる特性を生かさない手はない。
(続く)
順位 県名 市町村名 増減率
1 鹿児島県 十島村 27.7%
2 新潟県 粟島浦村 17.2%
3 沖縄県 与那国町 17.2%
4 沖縄県 渡名喜村 11.1%
5 島根県 海士町 9.4%
6 島根県 知夫村 8.3%
7 高知県 大川村 7.1%
8 島根県 西ノ島町 6.5%
9 広島県 大崎上島町 6.2%
10 沖縄県 座間味村 5.7%
「全国持続可能性市町村リスト&マップ」より
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片桐 幸雄(かたぎり さちお)
元道路関係四公団民営化推進委員会事務局次長。1948年生まれ。73年に日本道路公団に入社。主に料金設定や経営企画を担当し、2000年に総務部次長。02年から民営化推進委員会に入る。
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【2】(1) 第240回J.I.フォーラム 10月25日(水)
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「タイトル・未定」
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◯日 時: 2017年 10月25日(水) 18:30~20:30(開場18:00)
◯会 場: 日本財団ビル2階 大会議室 港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111
※場所にご注意下さい
◯ゲスト: 未 定
◯コーディネーター : 加藤 秀樹(構想日本代表)
◯主 催 : 構想日本
◯定 員 : 160名
◯参加費 : 一般 2,000円 / 学生 500円 (構想日本会員は無料です)
※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。
☆ 今回は懇親会はございません。
※フォーラムへのご参加は10月25日(水)12:00まで info@kosonippon.org にお願いします。
HPからのお申し込みはこちら http://kosonippon.org/wp-manager/forum/index.php
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*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 堺/稲垣まで。 TEL 03-5275-5607
*内容に関するお問い合せは、
伊藤/田中まで。 TEL 03-5275-5607
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構想日本は自治体での事業仕分けのピークを迎えています。23日(土)、24日(日)の岐阜県羽島市の後、連続して30日(土)、10月1日(日)には兵庫県加古川市、そして10月中には、14日(土)、15日(日)の広島県三原市、21日(土)の滋賀県大津市でも開催されます。
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(2) 岐阜県羽島市にて初の開催
「事業仕分け」 9月23日(土)、24日(日)
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★特徴★
1.全職員が行政評価の重要性を認識することを目的として、昨年度、全職員対象の職員研修を実施し、その上で事業仕分けを開催
2.構想日本選定の「仕分け人」が議論し、その議論を無作為に選ばれた市民が評価を行う「市民判定人方式」
3.「市民判定人」は無作為に選んだ市民1,500名のうち、応募があった36人(応募率2.4%)で、そのうち4割が女性、また36%が40代以下と、女性と若い世代の比率の高さが特徴
【対象事業】 9事業
9月23日(土)
〇道路維持管理事業
〇公園施設管理
〇文化・芸術振興支援
〇老人クラブ活動支援
〇保育所等運営事業
9月24日(日)
〇花の里推進事業
〇地区集会施設建設事業補助金
〇防犯灯設置・電気料補助事業
〇広報紙発行・配布事業
【議論の仕方と参加者】
構想日本仕分け人チームと市役所の担当者の議論を聞いて、市民判定人が評価を行う。
<構想日本仕分け人チーム>
1日目
コーディネーター:伊藤 伸(構想日本 総括ディレクター)
仕分け人:池端美和(発光土地建物株式会社 代表取締役)、清水正樹(民間企業)、露木幹也(小田原市事業協会 収益事業課 主事長)、伴 幸俊(豊田市 福祉部長)
2日目
コーディネーター:伊藤 伸(構想日本 総括ディレクター)
仕分け人:太田康広(慶應義塾大学ビジネス・スクール 教授)、上久保明治(浜松市 上下水道部 参与(コンセッション担当))、清水正樹(民間企業)、吉武智子(宇部市 市民環境部 市民活動課係長)
※両日共にインターネットによる配信を予定しております。(羽島市のホームページよりご覧ください)
【日 時】 9月23日(土) 9:50~16:00
9月24日(日) 10:00~15:30
※ 開場時間は、両日とも午前9時30分
【会 場】 羽島市福祉ふれあい会館2階 地域ふれあいスペース
(羽島市福寿町浅平3丁目25番地 TEL:058-392-2222)
【参加費】 無 料(どなたでも傍聴できます) ※途中の入退室可、事前申し込み不要
【主 催】 羽島市
【協 力】 構想日本
※詳細は、羽島市ホームページでもご覧いただけます。
http://www.city.hashima.lg.jp/0000009456.html
お問い合せ:構想日本 伊藤/中岡
TEL:03-5275-5607、email:shiwake@kosonippon.org
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(3) 平成29年度 兵庫県 加古川市 公開事業評価
9月30日(土)、10月1日(日)開催
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★加古川市の特徴★
1.今回で4年連続の実施。公開事業評価が市職員に定着しており、非常に前向き。資料の完成度の高さは全国の自治体の中でもトップクラス。
2.評価結果について、予算措置や実施内容、方法の見直し等により次年度以降の事業に積極的に反映させており、反映状況についてホームページで公開。
3.無作為で選ばれた39名と大学生2名の計41名が「市民評価員」として事業を評価。4年間での「市民評価員」としての参加延べ人数は約180名。
以上のように、加古川市は事業仕分け実施自治体の中で非常に良いモデルです。自治体職員の方をはじめ、皆様ぜひ傍聴にお越し下さい。お越しになれない方は、インターネット中継も行いますのでぜひご覧ください。
【対象事業】 全8コマ9事業
9月30日(土)
◯レガッタ普及事業
◯見土呂フルーツパーク管理運営事業
◯資源化センター管理運営事業
◯防災センター管理運営事業
10月1日(日)
◯公共交通補助事業うち「コミュニティバス路線運行補助金」
◯福祉タクシー料金助成事業
◯障碍者(児)医療費助成事業(市)・高齢障害者医療費助成事業(市)
◯世代間交流学習会事業補助金交付事業
【議論の仕方と参加者】
構想日本仕分け人チームと説明者(加古川市職員)が議論し、それを聞いたうえで市民評価員が対象事業の評価を行う。
※市民評価員:無作為に抽出した住民1,500人から選ばれた39名、及び市内在住で参加を希望した大学生2名の計41名。
<構想日本外部審議委員チーム>
コーディネーター:伊藤 伸(構想日本 総括ディレクター)
外部審議委員
1日目
安藤 真 (日清食品ホールディングス株式会社 技術開発 部長)
大迫 慎太郎(三重県 農林水産部フードイノベーション課、プロモーション促進班 主査)
田端 和彦 (兵庫大学・兵庫大学短期大学部 副学長)
松本 小牧 (豊明市 健康福祉部高齢者福祉課 課長補佐)
2日目
安藤 真 (日清食品ホールディングス株式会社 技術開発 部長)
香本 なぎさ(Community Nurse Company株式会社 事務局 保健師・看護師 コミュニティナース)
田端 和彦 (兵庫大学・兵庫大学短期大学部 副学長)
徳永 眞一 (地方独立行政法人 市立大津市民病院 法人事務局 管理監)
【日 時】 9月30日(土) 9:30 ~16:00
10月 1日(日) 9:30 ~16:00
※9月30日は9:40~9:55の間で開会式を行います。
【会 場】 加古川市役所 新館10階 大会議室 (兵庫県加古川市加古川町北在家2000)
※会場に関するお問い合わせは、加古川市行政管理課(電話:079-427-9753)まで
【参加費】 無 料 (どなたでも傍聴できます)※途中の入退室可、事前申し込み不要
【主 催】 加古川市
【協 力】 構想日本
詳細は以下からご覧いただけるほか、インターネット中継も行います。(加古川市ホームページ)。
http://www.city.kakogawa.lg.jp/soshikikarasagasu/kikakubu/gyosei/kokaijigyohyoka/1501837888690.html
お問い合せ:構想日本 伊藤/藤阪 TEL:03-5275-5607、email : shiwake@kosonippon.org
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(4) 構想日本式 「住民協議会」
10月28日(土) 太田市「住民協議会」第4回
「健康」に暮らすための身近な課題を住民達が議論
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「健康づくり」という誰もが関心のあるテーマについて、行政のおしきせではなく、住民自身が考え、議論します。
自分や地域の現状を知り、意見を出し合うことで、意見が違う住民同士の相互理解が深まり、行政が従来の「他人事」から「自分事」に変わっていく様子がよくわかります。
市民が自らどんどん議論する民主主義の新しい形のスタートです。 是非傍聴にお越しください。
★今回の取組みの特徴★
1.市が無作為に選んだ、一般市民の代表50人が参加(10代から70代が議論)
2.3ヵ月で4回という短期集中で市民の意見を集約
3.世代を超えて「健康」をテーマに、人づきあい、食事、心の健康、高齢者や現役世代の健康対策など身近な課題を議論
【日 時】 10月28日(土)14:00~17:00 (とりまとめの議論)
【参加者】 太田市住民協議会委員(太田市民50名)★
コーディネーター(論点整理役、構想日本より派遣)
太田市職員
★無作為に選んだ市民1,500名に案内を送付し、応募のあった50名。
【会 場】 太田市役所 3階大会議室 6階・1階会議室 (太田市浜町2番35号)
※会場についてのお問い合わせは、太田市企画政策課企画政策係まで(0276-47-1892)
【参加費】 無 料(どなたでも傍聴できます) ※途中の入退室可、事前申し込み不要
【主 催】 太田市
【協 力】 構想日本
※詳細は、太田市ホームページでもご覧いただけます。
http://www.city.ota.gunma.jp/005gyosei/0020-001kikaku-kikaku/2017-0710-jk.html
お問い合せ:構想日本 伊藤/町田
TEL:03-5275-5607、email:shiwake@kosonippon.org
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(5) その他の構想日本の活動
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2017年10月~隔週月曜日 京都大学経済学研究科・経済学部 特殊講義「公共経営論2」(代表 加藤秀樹)
公共政策の各論を毎回ゲストの講義で進めます。次回は、財務省大臣官房 経済財政政策調整官 森田稔氏。
2017年9月~隔週木曜日 法政大学「NPO論Ⅱ」(総括ディレクター 伊藤伸)
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(6) Yahoo!ニュースオーサー 記事投稿
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Yahooニュースにオーサーとして新しい記事を投稿しました。ぜひ御覧ください。
代表 加藤 秀樹
◇2017年8月4日 ヤフーニュース 「自分ごと化会議」のすゝめ
https://news.yahoo.co.jp/byline/katohideki/20170804-00074148/
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