【No.890】「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第三十九弾 千年持続学」 |至学館大学・伊達コミュニケーション研究所長  石田 芳弘氏|
2018.12.20

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構想日本メールマガジン【No.890】 2018.12.20 発行

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<目次>

【1】第250回J.I.フォーラム「島のくらしは“周回進み”」2019年2月4日(月)16時~

【2】ご紹介

(1)「藤田早苗さん講演会」 12月22日(土)、23日(日)他
(2)「報道されない福島の現実」傍聴のお知らせ  12月25日(火)

【3】巻末寄稿文

「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第三十九弾 千年持続学」

至学館大学・伊達コミュニケーション研究所長  石田 芳弘

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【1】 第250回J.I.フォーラム 「島のくらしは“周回進み”」

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多くの島は早くから過疎化が進み、“発展”から取り残されたように見えます。
しかし、その“周回遅れ”とも言える島の生活が今、見直されています。人口減少、成熟経済の時代には、むしろ“周回進み”かもしれません。
古くから「御食つ国」と呼ばれる淡路島、「夢の島」と呼ばれる奥尻島。2島の現場を歩いて新しい価値観のヒントを探しました。
それをもとに、2つの島の首長とコミュニティデザインの達人、山崎亮さんを迎えて島のくらしを通して日本の将来を考えます。

◯日 時: 2019年2月4日(月) 16:00~18:00(開場15:30)※

◯会 場: 大正大学 東京都豊島区西巣鴨3-20-1 ※

都営地下鉄三田線 西巣鴨駅下車 A3出口から徒歩2分
JR埼京線 板橋駅東口下車 徒歩10分
都電荒川線 庚申塚駅又は新庚申塚駅下車 徒歩7分

◯登壇者:(五十音順・敬称略)

門 康彦(兵庫県 淡路市長)

新村 卓実(北海道 奥尻町長)

山崎 亮(studio-L 代表)

◯コーディネーター:加藤 秀樹(構想日本 代表)

◯主  催 : 構想日本

◯定  員 : 100名

◯参加費 : 一般 2,000円 / 学生 500円 (構想日本会員は無料です)※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。

◯懇親会(予定) :一律 5000円程度(予定)(参加希望の方のみ)

フォーラム終了後、ゲストを囲んで、懇親会を開催する予定です。

※時間・場所にご注意のうえ、事前にお申込み下さい。

★今回は、淡路島、奥尻島の≪ここでしか買えない特産品≫の販売があります。是非、覗いて見てください。★

フォーラムへのご参加は2月4日(月)12:00まで お電話、FAX、E-メール info@kosonippon.org  にお願いします。

HPからのお申し込みはこちら http://kosonippon.org/wp-manager/forum/index.php

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*参加申し込みに関するお問い合せは、事務局 堺/稲垣まで。TEL 03-5275-5607、FAX 03-5275-5617

*内容に関するお問い合せは、伊藤/田中まで。TEL 03-5275-5607

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【2】ご紹介 構想日本が応援している活動に関するお知らせです。

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(1)「藤田早苗さん講演会」
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これまで秘密保護法や共謀罪、日本の表現の自由の現状を国際社会に伝えてきた、イギリス在住で国際人権基準の研究者である藤田早苗さんが2018年12月に一時帰国し、全国各地で講演を行います。

世界から見た日本 メディア・ジェンダー・貧困(東京)

◇日 時 12月22日(土)14:00~16:30
◇会 場 大田区消費者生活センター大集会室 大田区蒲田5-13-26 蒲田駅東口から徒歩約5分
https://www.city.ota.tokyo.jp/shisetsu/seikatsu_center/index.html
◇参加費 1000円 学生(院生・専門学校生を含む)無料
主催 フェアな民主主義 03-6303-8671 office@nasuie.com

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What’s MEDIA? JOURNALISM?
見つける、つなぐ。ポスト平成のジャーナリズムとメディアのあり方とは?(東京)

◇日 時 12月23日(日) 15時~
◇会 場 「KYODO HOUSE」(世田谷区経堂)
◇ゲスト
望月衣塑子さん(東京新聞社会部記者)
藤田早苗さん(英エセックス大フェロー)
南 彰さん(新聞労連中央執行委員長)
近藤ヒデノリさん(クリエイティブプロデューサー)

既にほぼ満員のようですが、ご参考までに掲載しております。
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世界からみた日本 メディア・ジェンダー・貧困 (大阪)

◇日 時 2019年1月12日(土)14時~
◇会 場 毎日放送M館地下1階 AVルーム(大阪市北区茶屋町17-1)
(ロフトの北隣がM館です。M館1階の受付にスタッフがおります)
◇資料代 カンパ制(学生無料)
問合せ先 藤田早苗講演会実行委員会 MBS文箭(ぶんや) 25bun64bun@ezweb.ne.jp

詳細はこちら→ https://hyogen-tsutaeru.jimdo.com/

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(2)「報道されない福島の現実」傍聴のお知らせ
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ひとりでも多くの方に来てもらい、知ってもらいたい。決して風化させないで欲しい。

福島県内初の「農地の原状回復訴訟」

◯日 時 2018年12月25日(火)午後1時30分~(予定)通常は30分前から入場可能

◯場 所 福島地方裁判所
http://www.courts.go.jp/fukushima/about/syozai/fukusimamain/index.html
住所:〒960-8512 福島市花園町5-38
電話: 024-534-2156(代表)

◯傍聴席 48席 (先着順) どなたでも傍聴可能です

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【3】「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第三十九弾 千年持続学」

至学館大学・伊達コミュニケーション研究所長  石田 芳弘

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母親の胎内にいた時から胎教として祭囃子を聞き、小学校に行く前から祭に参加。太鼓や笛を習うことから、長じて県議会議員になり祭保存会長を引き受け、市長時代は教育委員会に文化財課を新設し、我が故郷の祭を国指定重要無形文化財にできた。

その結果、犬山祭は一昨年ユネスコの無形文化遺産となった。

祭に対するその情熱は、公職者をやめた後も冷めることがなく、現在至学館大学で祭とコミュニティの研究所を主宰している。

あちこち乞われて祭の話をしに行くが、祭関係者は「自分の祭ファースト」、アメリカ大統領トランプ支持者の集会に行ったようで、唯我独尊タイプが多い。私の体験型祭論も感情移入が多すぎ、ややスベリ気味ではないかという危惧があったが、客観視する一つのメルクマールのようなものを見つけた。

今回はその視座を述べる。

20世紀終盤、世界の頭脳が集まったローマクラブが、このまま地球の資源を食い尽くすと人類の生存は危機にさらされるという警告を発した。それを受けて2002年国連が主宰し、世界の首脳がヨハネスブルグに集まり「地球サミット」が開催され、“Beyond GDP”(脱GDP)という21世紀のビジョンが提示された。それを受けて我が国の文科省が千年持続社会の構築を目指し、千年持続学なるものを提唱した。括目に値するレポートであった。

ここに神事を伴う祭が出てくる。

千年持続の要点を一言でいうと、大自然の生態系とともに生きてきた日本人のライフスタイルを取り戻せということに尽きる。キーワードは“Bioregion”。地域生命体と訳すが、「今こそローカリズム」の視座であろう。

バイオリージョンの中身は水や土から始まり、昆虫力、植物力、微生物力などとともに生きる人間力、いわゆる里山文化こそ循環の再生力を生み出す源泉であると指摘する。

事実私の関係する犬山祭を観察しても、曳山本体の木や漆に始まり、懸装品※の絹・麻・木綿、また草鞋(わらじ)・提灯(ちょうちん)・蝋燭(ろうそく)等々祭を取り巻く全て自然界の動植物由来の素材から成り、廃棄物とはならない大地に帰る再生の中に存在する。

昨年富山県射水市の新湊曳山祭を見学した。ここでは祭に参加することを「つながる」と言う。仲間と繋がり、地域と繋がり、先祖と繋がり、山と繋がり、海と繋がる。大自然や歴史とともに生きてきた我々日本人の生き方を信仰にまで高めた祭を可視化した素晴らしい表現だ。

日本の祭が内蔵する神、すなわち畏れ多き存在を意識しつつ、大自然の生態系とともに生きる精神性こそ千年持続社会構築を考えるヒントになるのではないか。

“Ancient Future”―懐かしき未来、と訳された、スウェーデン出身の言語学者、ヘレナ・ノーバーグ=ホッジの言葉に惹かれる。

アメリカの神話学者ジョーゼフ・キャンベルの「千の顔を持つ英雄」を読んで、ジョージ・ルーカスはスターウォーズを発想したと聞いた。早速この映画を見たが、まさに日本の祭の神々が乱舞する神話世界はスターウォーズと重なるファンタジーであった。

アメリカの例を引くまでもなかろう。世界に冠たるクールジャパンのアニメ、宮崎駿の諸作品と、わが故郷犬山祭のからくり人形群の舞が、時としてシンクロしてくる。

祭は神話を岩盤とし、エコとアートの未来物語でもある。

千年持続社会を考える時、ローカルな祭が一つの核になることはゆるぎのない事実であると確信する。

※ 懸装品(けそうひん) 日本各地のお祭で、山車、山鉾、屋台、神輿(みこし)などを装飾する絢爛豪華な幕地のこと。

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石田 芳弘(いしだ よしひろ)
愛知県議会議員、犬山市長、衆議院議員など、地方、中央の政治と行政を経験。特に教育、文化行政に力を入れた。「まちは生涯学習の最良の教室である」というのが持論であり、学校教育も生涯学習の一環であると考え、市民が教師の総合学習や全市博物館構想を推進。また、シンクタンクの研究員として先進国の地方議会を視察、研究。我が国地方議会も議院内閣制を導入すべしという、地方議会改革論議のオピニオンリーダーである。

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(編集後記)

安保関連法案「国民にさらに丁寧にわかりやすく説明していきたい」 強行採決
加計学園問題「丁寧に説明する努力を積み重ねたい」 有耶無耶
辺野古基地移設「政府の取り組みについて粘り強く丁寧に説明していきたい」 土砂投入

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