【No.924】「果てしなきサーカスの旅(3) 新たなサーカス学校を」|NPO法人国際サーカス村協会・沢入国際サーカス学校 代表  西田 敬一氏|
2019.08.22

【No.924】明日は「処暑」、だんだん過ごしやすくなるでしょうか。

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構想日本メールマガジン【No.924】 2019.08.22 発行

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<目次>

【1】活動ニュース

(1)兵庫県 川西市 「かわにし市民会議(4)」(住民協議会)8月24日(土)

(2)群馬県 富岡市 「とみおか未来会議(1)」(住民協議会)8月25日(日)

(3)和歌山県 海南市 「住民協議会(3)」8月25日(日)

【2】スタッフ通信

(1)Yahoo!ニュースオーサー 記事 NEW!

(2)千葉県 市原市「市民点検」<実施報告>

【3】巻末寄稿文

「果てしなきサーカスの旅(3) 新たなサーカス学校を」

NPO法人国際サーカス村協会・沢入国際サーカス学校 代表  西田 敬一

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【1】活動ニュース

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(1)兵庫県 川西市「かわにし市民会議」(住民協議会)

★川西市「かわにし市民会議」の特徴★

1.総合戦略(今後3年間の重点計画)を無作為に選ばれた市民が中心になって作る。

2.住民基本台帳から無作為に選ばれた2,000人の中から応募のあった163名が参加。

3.40代以下が6割。そのうち2割が20代と、若者の割合が高い。

【日 時】第4回 8月24日(土) 13:00~16:00(予定)

【会 場】川西市役所(川西市中央町12−1号)

※会場に関する問い合わせ先:川西市役所総合政策部 政策創造課(電話:072-740-1120)

詳細は、川西市HPをご覧ください。http://www.city.kawanishi.hyogo.jp/shiseijoho/gyozaisei/1008787/1008790/index.html

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(2)群馬県 富岡市「とみおか未来会議」(住民協議会)

★富岡市「とみおか未来会議」の特徴★

1.とみおか未来会議初開催。「未来を担う子どもたちの遊び場」がテーマ。

2.無作為に選ばれた1,200人の中から応募のあった52名と高校生5名の計57名が参加。

3.提言をまとめ、議論で挙がった論点は、子ども・子育て支援事業計画につなげる。

【日 時】第1回 8月25日(日)13:30~17:00(予定)

【会 場】富岡市役所 生涯学習センター3階会議室 他(富岡市七日市400-1‎)

※会場に関する問い合わせ先:富岡市企画課(電話:0274-62-1511)

詳細は、富岡市HPをご覧ください。https://www.city.tomioka.lg.jp/www/contents/1561334150628/index.html

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(3)和歌山県 海南市「住民協議会」

★海南市「住民協議会」の特徴★

1.公民館等のあり方を、無作為に選ばれた市民と地域の実情に詳しい地区代表者等が議論。
(無作為に選ばれた1,000人の中から応募のあった33名と自治会長など地域の実情に詳しい地区代表者16名)

2.昨年度の行政事業レビューに参加した市民判定人OB・OGが、オブザーバーとして参加。

3.議論の結果は、来年度に作成予定の施設を見直す計画(個別施設計画)に反映。

【日 時】第3回 8月25日(日) 14:00~17:00(予定)

【会 場】海南市役所(和歌山県海南市南赤坂11番地)
※会場に関する問い合わせ先:海南市役所総務部企画財政課(電話:073-483-8405)

詳細は、海南市HPをご覧ください。

http://www.city.kainan.lg.jp/kakubusho/soumubu/kikakuzaiseika/kikakuzaiseikatorikumi/jyuuminkyougikai/1559805096309.html

※上記3自治体とも【参加費】無料 どなたでも傍聴できます(事前登録不要、途中入退室可)

【お問合せ】 構想日本 伊藤・田中・永由・今泉・後藤 TEL:03-5275-5607 E-MAIL:shiwake@kosonippon.org

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【2】スタッフ通信

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(1)Yahoo!ニュースオーサー 記事投稿 NEW!

代表 加藤 秀樹

◇2019年8月1日 「JUDGIT!」国が何をしているか発見できるサイト
https://news.yahoo.co.jp/byline/katohideki/20190801-00136657/

総括ディレクター 伊藤 伸

◇2019年8月15日  住民参加で公共施設を見直す
https://news.yahoo.co.jp/byline/itoshin/20190815-00138550/

(2)千葉県 市原市「市民点検」<実施報告>

市原市は、無作為により選ばれた市民とともに、対象事業(32事業)について点検を行いました!

詳細はこちら → http://kosonippon.org/wp-manager/blog/?p=1863

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【3】「果てしなきサーカスの旅(3) 新たなサーカス学校を」

NPO法人国際サーカス村協会・沢入国際サーカス学校 代表  西田 敬一

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若い人々を中心にサーカスについての認識が変わったのは、1992年に初来日を果たし、その後も毎年のように公演をしているカナダのシルク・ドゥ・ソレイユによるところが大きいのではないか。このサーカスを招聘した当時のプロデューサーが、なんとかサーカスという言葉を使わずに、このショーの宣伝ができないかと悩んだようだ。その理由が、日本ではサーカスというイメージが悪いからというものであった。

あれから4半世紀以上たつが、今でも「サーカス」と言うとマイナーな時代遅れのショーと思っている人々も少なからずいるようだ。シルク・ドゥ・ソレイユのショーを見たからといって、その人々の日本のサーカスの認識が変わったかどうかといえば、さほど変わってはいないかもしれない。

シルク・ドゥ・ソレイユはじめ、東京芸術劇場など多くの公共施設、劇場などで公演されるヌーボーシルク(新しいサーカス、現代サーカス)と呼ばれる海外のサーカスショーを見にいく観客の多くは、日本のサーカスを見にいく機会はほぼないであろう。たとえ見に行ったとしても、それらを同じサーカスというカテゴリーとして見ていないように思える。

世界の新しいサーカスの潮流に憧れて、海外のサーカス学校へ飛びこんだり、すでに身につけている技術を武器に、ショーに参加しているパフォーマーも増えてきているが、それでも一般的には日本のサーカスは、相変わらずマイナーなイメージから抜けだせずにいる。

その一方で、同じようにマイナーなイメージだった大道芸は、(いまや、世界的に有名になった“大道芸ワールドカップ イン 静岡”※1に代表されるように)全く新しいジャンルでもあるかのように人気を博している。

世界で新しいサーカスショーを創りだしているパフォーマーの多くは、各国のサーカス学校で学んだ人たちだ。ロシアなどの旧社会主義国のサーカス学校、中国の雑技学校は別としても、1980年代に入ってフランス、カナダ、ベルギー、オーストラリア、ドイツなどにも次々とサーカス・アート学校が誕生しているのが世界のサーカス事情といえる。しかし日本ではあいかわらず、サーカスを文化・芸術(アート)として真剣に論じる人々のなんと少ないことか。

サーカス芸の伝承は、かつては家族で受け継がれるものであったが、時代が豊かになるにつれてそれが難しくなったと考えたフランスでは、1986年にCNAC(国立サーカスアートセンター)を誕生させる。この国をあげての取り組みによって、創造的な文化活動をおこなう人々が次々と排出される。例えばアルベールビルオリンピックの演出担当者となり、日本でも幾つもの作品を公演しているフィリップ・ドゥクフレもこの学校で学んでいる。

日本に、本格的なサーカス学校を作りたい。技術を身につける肉体訓練、そして身体を使った自由な発想によって創りだされる作品、ムーブメントが、新しい芸術・文化の地平を拓く。その可能性を求めて、いま新しいサーカス学校の創設を望んでやまない。

タイトルを「新たなサーカス学校を」としたのには、苦渋の理由がある。
実は既に、群馬県みどり市東町沢入という、中山間部で国際沢入サーカス学校を運営している。福島第一原発事故の放射性物質の飛来があったり、生徒数が少なく一時休校を余儀なくされたこともあるが、それでも18年間、活動を続けている。その私たちの経験を踏まえてのことだ。

近くにコンビニもなく、アルバイトができるところもない環境では、年間30万円の授業料、月1万5、6千円の居住費、そして毎月の食事代などを支払って学校に通うには、ある程度、親元の支援がなければ、続けることはできない。それこそギリギリの生活をしながら4年間学校に通い、卒業後、東京都のヘブンアーティストの審査※2に一発合格した生徒もいるが、全員がかならずしもそうではない。

もちろん奨学金制度のようなものを学校側が用意できればそれに越したことはないが、沢入国際サーカス学校を運営しているNPO法人国際サーカス村協会にそのような余裕はない。廃校になった小学校を、わずかな賃貸料で貸してくれているみどり市からは、それ以上の支援は期待できない。

近くの道の駅で大道芸ができるようにお願いしたり、学校に依頼されるショーの仕事などでわずかな収入はあるとはいえ、それらは彼らの道具購入費に消えていき、生活費を補填するほどの収入にはならない。親の援助がない場合、どうしてもアルバイトは欠かせないのだ。

たしかに山の中で練習に集中できる環境とはいえ、実際にそこで生活し練習するというのは、相当に覚悟がいると言わざるをえない。

入学したいが近くにアルバイトをするところはありますか?

入学希望者のほぼ全員が質問してくる。その度に、アルバイトが厳しい環境にあることを伝えるのは心苦しいものである。バイトができないなら(親から援助してももらえないので)諦めますという若者が何人もいた。このことからしても、やはり、もう少し環境の整った新しい場所でのサーカス学校を開校したいと考えざるをえないのである。

サーカスを学びたい若者がいる以上、なんとかその環境を用意したいというのが私の願いであり、偽わりのない気持ちである。 (おわり)

※1 150万人超の集客を誇る、アジア最大級のパフォーミングアーツ・フェスティバル

※2 東京都指定の場所で芸を披露できるための資格審査、アーティストの公認制度。

「(1)サーカスって文化?」 はこちら → http://kosonippon.org/wp-manager/mail/detail.php?id=922
「(2)サーカス村協会設立へ」 はこちら → http://kosonippon.org/wp-manager/mail/detail.php?id=933

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西田 敬一 (にしだ けいいち)

1943年生まれ。早稲田大学文学部ドイツ文学科卒業。 アングラ芝居からサーカスの世界へ。NPO法人国際サーカス村協会代表、株式会社アフタークラウディカンパニー代表。
1997年群馬県みどり市東町座間にサーカス資料館を設立。その後同地で廃校になった小学校に、沢入国際サーカス学校を設立。世界各国からさまざまなサーカスアーティストを招聘し、サーカスを通じた国際交流をおこなっている。著書『果てしなきサーカスの旅』(現代書館)、『サーカスがやってくる』(旺文社文庫)、『サーカス物語』(大揚社)など。

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本日のメルマガにご寄稿頂いた、サーカス学校のご紹介です。

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サーカス学校のご案内

沢 入(そうり) 国 際 サ ー カ ス 学 校 ご 案 内

本校は2001年9月開校し、今年で18年目を迎えます。
指導者は2019年春からは、当校の卒業生でパフォーマーの天野真志と、キエフサーカス学校出身でパフォーマーのビラ オリガが講師を務めます。

本校は4年制ですが、一年などの短期でも、学びたい人々に門戸を開きます。
授業期間は前期が9月中旬~12月中旬まで、後期が3月中旬~7月中旬までです。
以下のURLより案内をお読みいただき、ご連絡ください。

詳細はこちら → http://www.circus-mura.net/index_sics.html

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(編集後記)

北海道警察が街頭演説中に「増税反対」などの声を上げた市民を取り囲み、強制排除。
女子大学生までも、大勢の警察官に取り囲まれ、執拗に付きまとわれていたとのこと。
「白バラ」の悲劇が、未来の日本で繰り返されるのではないかと不安になります。

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