【No.1043】「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ第五十八弾 能登七尾の曳山行事 でか山 2019.5.4」 |至学館大学 コミュニケーション研究所長 石田 芳弘氏|
2022.01.13

【No.1043】代表 加藤秀樹が #noteはじめました

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構想日本メールマガジン【No.1043】 2022.01.13 初虚空蔵 発行

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<目次>

【1】代表 加藤秀樹が #noteはじめました

【2】今後の活動予定

1月16日(日) 福岡県大刀洗町 令和3年度 大刀洗町住民協議会(第3回)

【3】お知らせ

(1)《自分ごと化対談》noteに登場! Chapter1 生命誌研究者 中村桂子氏

(2) 受講生募集 オンライン×フィールドワーク研修で学ぶ「自治みらい塾2022」~現場から地域、日本を変えるための考え方、手法~

(3)「咢堂ブックオブザイヤー2021 地方部門 大賞」受賞:『あなたも当たるかもしれない、「くじ引き民主主義」の時代へ』

【4】巻末寄稿文

「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ第五十八弾 能登七尾の曳山行事 でか山 2019.5.4」

至学館大学 コミュニケーション研究所長  石田 芳弘

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【1】代表 加藤秀樹が #noteはじめました

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昨年来、次々と新しいことにチャレンジしている加藤秀樹が、#note はじめました。

ツル・ザラエッセイ

(1)「ツルツルになった歌」  https://note.com/hi_kato/n/n70e97945ea37

今後、どんどん充実していきます。 どうぞご覧ください。

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【2】今後の活動予定

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福岡県大刀洗町 令和3年度 大刀洗町住民協議会 第3回

大刀洗町の住民協議会は条例に基づく正式な審議会で、今年度で連続8年目の開催です。

【日時】1月16日(日)13:00~16:00(予定)
【テーマ】「ごみを減らすために、わたしにできること」

傍聴など、詳細はこちらから

大刀洗町HP → https://www.town.tachiarai.fukuoka.jp/page/page_02727.html
構想日本HP → http://kosonippon.org/wp-manager/tachiarai_2021/

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【3】お知らせ

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(1)《自分ごと化対談》noteに登場!

ゲストからの加筆を含め、動画とは一味違ったものになっています。是非ご覧ください。

「生命誌研究者 中村桂子氏×構想日本代表 加藤秀樹 」

【「命」か「経済」か? コロナ禍で明らかになった社会問題を『生き物としての人間』の観点で考える】

こちらから →  https://note.com/hi_kato/n/n08df5c59b055

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(2)「自治みらい塾2022」受講生募集

オンライン×フィールドワーク研修で学ぶ「現場から地域、日本を変えるための考え方、手法」

自治みらい塾は、地方自治の先進事例を基に、多様なものの見方と実践的な知恵の出し方を学び合い、また同じ志を持つ横のつながりを作る場です。

■自治みらい塾 <3つのポイント>

・まちをどうしていくのか(福祉を軸にする? 観光に力を入れる? 何をやっていく?)
・まちの人たちの意思をどう反映していくのか
・財政はさらに厳しくなり国の支援も減る中で、どう自立していくのか

■日程(全3回・4日間)

第1回:1月23日(日)14時~17時(予定)【Zoomでのオンライン研修】
第2回:2月19日(土)10時~17時
2月20日(日)10時~15時(予定)【現地&Zoomでのオンライン研修】※
第3回:3月26日(土)13時~17時(予定)【Zoomでのオンライン研修】
※第2回は福岡県大刀洗町で、1泊2日(現地)。

■受講料:25,000円(税込)※別途:旅費・宿泊費・食費等は各自ご負担ください。

■募集人数:定員25名

■応募資格:地域の課題解決や未来創造のために、考え行動したいと思っている人(年齢や役職等は問いません)

■プログラム概要:全回「オンライン(Zoom)」で受講可能。(後日、アーカイブ視聴も可)

■応募方法
・「Googleフォーム」からのお申込み こちら→ https://forms.gle/7MpwP2PqvfoMhc1D9
・HPから「申込み用紙」をダウンロードし、メール又はFAXでお申し込み こちら→ http://kosonippon.org/wp-manager/jicjimirai2022/

詳細はこちらから → http://kosonippon.org/wp-manager/jicjimirai2022/

確認事項、ご不明な点ついては、下記のお問合せにご連絡ください。

お問合せ・申し込み先 構想日本:永由、浮城
TEL:03-5275-5607 FAX:03-5275-5617 Email:jichimirai@kosonippon.org

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(3)『あなたも当たるかもしれない、「くじ引き民主主義」の時代へ』 伊藤 伸(著)

出版社:朝陽会 販売価格 1,100円(税込み)12月7日発売

河野太郎氏(前行政改革担当大臣)推薦文より

「この本には、常に現場に向き合って課題を解決しようとする伊藤さんの本質が詰まっています。現場と制度、国と地方、官と民、あらゆるものをコーディネートできるのは伊藤さんしかいません。」

尾崎行雄記念財団「咢堂ブックオブザイヤー2021 地方部門 大賞」受賞
こちらから → https://ozakiyukio.jp/gakudojuku/book2021.html

書籍販売ページ:https://www.gov-book.or.jp/book/detail.php?product_id=369105
Amazon書籍販売ページ:https://www.amazon.co.jp/dp/4903059669?ref=myi_title_dp

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【4】「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ第五十八弾 能登七尾の曳山行事 でか山 2019.5.4」

至学館大学 コミュニケーション研究所長  石田 芳弘

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5月4日を「みどりの日」として祝日にした政府のセンスはいい。この日、列島にみどりの風が吹き渡る。

ついでに「能登七尾の曳山行事でか山」は「青柏祭(せいはくさい)」と呼んだほうがフィーリングとして好ましい。柏の葉は秋に枯れても翌春まで落葉しないし、新芽が出て芳香を放つゆえ、サステナビリティ(持続性)を象徴する縁起ものである。まさに「みどりの日」と呼ぶにふさわしい。

柏の若葉が照り映える五月晴れの空を突っ切って、尾張平野から能登半島までユネスコの無形文化遺産見学に飛翔した。

司馬遼太郎の随筆集「この国のかたち」に「岬と山」という項がある。岬は陸地のサキ。山はカムナビと呼ばれる小山。いずれも、古来日本では神とされてきた。と、いう。太平洋のサキ、知多半島から東海北陸道を北上し日本海のサキ、能登半島に至る昇竜道(国土交通省がインバウンド観光のために命名)こそ、まさに日本の神々の祭が集積する道なのかもしれない。ただし、山車(だし)と呼ぶ知多半島のヤマ群と、曳山(ひきやま)と呼ぶ能登半島のヤマ群とにはちがう文化性を観る。なにか太平洋と日本海の風土性からくるちがいなのか。この祭を別名「でか山祭」と呼ぶのは、日本海の荒波を見るようで楽しい。

視座を変えてみる。能登半島はユネスコの世界農業遺産に認定されているし、伝統工芸品の生産では我が国1位。一方の愛知県はトヨタをはじめとする工業技術の首都を自任する土地柄だ。文化を意味するCultureの動詞Cultivateは耕すという意味であるゆえ、文化は土とともにあり、農業にまつわる我々の営為こそ文化の本質であると思っている。

―文化の能登に対する文明の尾張というコントラストが浮かんでくる。

前置きが長くなり過ぎた。「でか山祭」に入る。

4日、七尾市の産土大地主(うぶすなおおとこぬし)神社の境内に鍛冶町・府中町・魚町3台のでか山勢ぞろいがハイライトと聞いたのでそれに合わせた。神社近くに市が用意した駐車場で車を降りると即、祭囃子と木やり唄が流れてきた。これは拡声器で流しているものだが、一気に祭の高揚感が点火された。神社周辺はすでに観光客でごった返していた。普通、祭の神事は神社本殿内で祭祀関係者のみで行われるものだが、ここはでか山が勢ぞろいした社殿鳥居の前で、注連縄(しめなわ)を張った「結界」を作り観光客注目の中でお祓いの神事執行。大森重宜宮司はロサンゼルスオリンピック日本代表という経歴を有し、いかにも「でか山祭」にふさわしい風貌の人ではあった。

驚愕のデカさ!山の数は3台だが、神社前に現出した祭のスケール感は豪快と呼ぶにふさわしい。でか山は筵(むしろ)でおおわれ、神々の降臨を仰ぐ若松が建てられ、設置された舞台に歌舞伎などに出てくる古い芝居の名場面を語る「人形見」が飾り付けられている。鍛冶町は「源氏物語七尾の栄」、府中町は「前田利家小丸山入城」、魚町は「大阪軍記血判取」。そしてその前で梃子(てこ)と呼ばれる若い衆たちが朗々とうたう木遣り唄は秀逸で、五月晴れの青空に響き渡る独特ののどかな節回しに魅了された。

「青柏祭でかやま保存会」代表理事の中立忠男さんから事前に、七尾市教育委員会文化課で発行された資料集「国指定重要無形民俗文化財 石川県七尾市の曳山行事」を送っていただき、ほぼ一年中にわたって行われる、でか山祭の準備、組織、伝統行事などについて詳しく知ることができた。資料に中立さんの添え書きがあり「でか山は絢爛豪華とは違い、勇壮豪快、高さ12メートル、総重量20トンの山車を家の軒先をかすめ電柱をかわし、時にはぶつけることもあり、スピードの出る個所では梃子衆の方向操作は危険を伴います。(中略)狭い辻での方向転換は一番の見どころです。」と祭へのあつい思いが述べられていた。

郷土自慢のこの一言に、祭の持つローカリズムの心意気と、若い衆がヒーローとなる場面が集約されている。

近代政治の原理である民主主義は、イーチアザース・ヒーロー(すべて平等の主人公)を目指すものだが、祭はことさら意識的に目指さなくてもイーチアザース・ヒーローの世界である。

蛇足ながら、私の自宅から指呼の間に国宝茶室「如庵」がある。この茶室に隣接した居間の長谷川等伯作、国重要文化財「竹林図屏風」を時々鑑賞。直木賞作家安倍龍太郎作「等伯」を読んで、この等伯が七尾市の生まれであり、故郷のでか山祭の中に育ったことを知ったのが、この祭に関心を持ったはじめであったし、また、棟方志功と青森ねぶた祭の関係を思い出した。卓越した祭は卓越したアートを育む。

青柏祭でか山保存会 → https://www.nanao-cci.or.jp/dekayama/make.html

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石田 芳弘(いしだ よしひろ)

愛知県議会議員、犬山市長、衆議院議員など、地方、中央の政治と行政を経験。特に教育、文化行政に力を入れた。「まちは生涯学習の最良の教室である」というのが持論であり、学校教育も生涯学習の一環であると考え、市民が教師の総合学習や全市博物館構想を推進。また、シンクタンクの研究員として先進国の地方議会を視察、研究。我が国地方議会も議院内閣制を導入すべしという、地方議会改革論議のオピニオンリーダーである。

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(編集後記)

ここ2年ほど、お祭は神事のみという所も多かったのではないでしょうか。
お祭りの時だけは地元に帰るというように、望郷のよすがになっている気がします。
今年こそは、地元の方たちだけでもお祭りを楽しめる状況になってほしいと願います。

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