【No.1001】「コロナ禍で考える日常の課題(前)」 |NPO法人さいたまチャイルドライン代表理事 太田 久美氏|
2021.03.18

【No.1001】寄稿文「コロナ禍で考える日常の課題(前)」NPO法人さいたまチャイルドライン代表理事 太田 久美氏

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構想日本メールマガジン【No.1001】 2021.3.18  発行

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<目次>

【1】今後の活動予定

(1)課題解決の仕組みづくりを考える「とみおか未来会議」(第4回)3月21日(日) 群馬県富岡市

【2】ご紹介

(1) 日本ラオス外交関係樹立65周年記念事業:ボンバレボーン / 栗コーダーカルテットがやってくる 3月28日(日)

(2) 第77回トルコの夕べ「カマン・カレホユック考古学博物館と国際貢献」3月30日(火) 〆切3/25

(3) 一般社団法人 世界の子供たちのために「福島応援オンラインお花見」4月10日(土) 一次〆切3/21

【3】巻末寄稿文

「コロナ禍で考える日常の課題(前編)」

特定非営利活動法人さいたまチャイルドライン 代表理事  太田 久美

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【1】今後の活動予定

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(1)課題解決の仕組みづくりを考える「とみおか未来会議」 3月21日(日) 14:00~

【とみおか未来会議(住民協議会)】第4回開催(全8回)

とみおか未来会議では、地域課題解決のために、住民・地域・行政が力を合わせて、どのように取り組んでいくのか考えていきます。
市の将来を自分ごととして捉えてもらうために、無作為抽出で選ばれた800人の中から応募のあった市民が議論をします。
これまでの会議では、「人口減少・高齢化、そこから起きている課題」についてどのように解決していくのか、具体的なアイデアを議論してきました。第4回目では、これまでの議論を振り返りながら、「自分たちには何ができるのか」などについて議論を深めます。

【テーマ】「地域づくりの推進~みんなでとみおかの未来を考えてみませんか~」
【日 時】3月21日(日) 14:00~17:00(予定)
【参加費】無料 (事前申込み不要、出入自由)
【会 場】富岡市役所 議会棟3階会議室(富岡市富岡1460-1)

☆会場に関するお問い合わせ 富岡市地域づくり課(電話:0274-62-1511)
詳細は下記をご覧ください。

構想日本HP →  https://www.kosonippon.org/wp-manager/tomioka_2020-4/
富岡市HP → https://www.city.tomioka.lg.jp/www/contents/1600138018862/index.html

※新型コロナウイルス感染症予防に、当日の検温、マスク着用等にご協力ください。状況により傍聴の可否について変更の可能性がありますので、詳細は市ホームページをご確認ください。

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【2】ご紹介  構想日本が応援している活動に関するお知らせです

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(1)日本ラオス外交関係樹立65周年記念事業:ボンバレボーン / 栗コーダーカルテットがやってくる Live in 八王子

「ボンバレボーン」は、市街地のお寺で開催する(架空の)小さな村祭りです。心の通じあう、ほどよい空間と、人々の繋がりを大切に。みなさんの気持ちが、ほっこりと、晴れやかになりますように。

■開催日時 :3月28日(日)10:30~20:00 / LO 19:00
■会場:禅東院(東京都八王子市本町17-19)
■主催:Japan Laos Creative Partners
■入場料:souq + Talat (市・マーケット):入場無料 ※ライブ・上映会:有料
ライブ詳細はこちら →https://kuri-live-hachioji.peatix.com/
映画詳細はこちら  →https://fb.me/e/1XF883xLe

☆当日スケジュール
10:30 オープン souq + Talat (市・マーケット 28店舗)(10:30-19:00)入場無料
13:30-14:30 昼の部 栗コーダーカルテット ミニライブ(1時間)
15:00-17:00 映画 『サーイ・ナームライ』(2時間)当日券のみ
17:30-19:30 夜の部 栗コーダーカルテット ライブ(休憩挿み 2時間)
20:00 クローズ

会場内の混雑を避け、状況により入場制限を実施する場合もあります。

※ライブ会場はゴザ、映画会場は畳。寒さなどが気になる方はクッションなど持参をお奨めします。
※感染症対策 ライブ・映画入場時の検温、マスクの着用、咳エチケット、手指消毒。

主催より:
集うことや表現することの原点を振り返ってみたいと思い、ラオス滞在時に体験した「小さな村まつり」をイメージしたイベントを開催します。地元八王子の寺院や定期市と協力、ラオスに縁の深いアーティストを招き、地域内外の来客をお迎えします。今後、演目を変えながらの定期開催を目指した初回であり、ゼロ号のような会となります。

お問い合わせ:ikkyu.laos@gmail.com
イベント全体情報(出店情報など)はこちらから → https://www.facebook.com/bon.bare.born

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(2) 第77回トルコの夕べ「カマン・カレホユック考古学博物館と国際貢献」3月30日(火)

オンライン(ZOOM)開催。

日本から凡そ一万キロも離れたアナトリア高原の博物館から、初めてライブで博物館をご案内します。今回は、各遺跡の主な出土品に焦点を合わせてご覧頂きます。また、「何故、アナトリア高原の真ん中に博物館を建設したのか」についてもお話し出来ればと考えております。いつの日かカマン・カレホユック考古学博物館にお出で頂く切っ掛けになれば嬉しい限りです。

■開催日時:2021年3月30日(火)18:30〜19:30
■テーマ:カマン・カレホユック考古学博物館と国際貢献
■講師:大村幸弘氏(公財)中近東文化センター附属アナトリア考古学研究所長
■参加費:日本・トルコ協会 役員/法人会員/個人会員:無料、 一般:2,000円
■定員:100名程度(先着順)
■お申し込み方法
日本・トルコ協会事務局へ電子メール(info@tkjts.jp)にて、件名に「トルコの夕べ」、本文に下記事項を明記の上、3月25日(木)までにお申し込み下さい。事務局よりメールにて申込受付のご連絡を送付致します。
1氏名 2所属(社名・所属団体等) 3E-MAIL 4電話番号
*事務局からの返信がない場合は、再度お知らせ下さいますようお願い致します。
■注意事項
本セミナーの録画、録音、撮影は硬くお断りいたします。
詳細はこちら → http://www.tkjts.jp/turkey_evening/2021/03/02/3822/

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(3)一般社団法人 世界の子供たちのために「福島応援オンラインお花見」

東日本大震災から丸10年を迎えます。コロナ禍が続く中、自宅にいながらお持ちの携帯電話やパソコンで、福島を楽しんでいただく『 福島応援オンラインお花見 』を企画いたしました。
福島で被災し復興までの10年間を歩んでこられた方たちの想いに触れ、福島に桃源郷ありと言われる花の名所「花見山」からの満開の桜をご覧になりませんか?

■日時:2021年4月10日(土)14:00~<YouTubeでご視聴いただきます。>
■参加費:500円(手元に桜やお酒が届くセットは+3,000~) ※福島出身の方は視聴のみ無料
■行程参考 一部:NPO代表・福島県議・教育長メッセージ、大学教授講演ほか、二部:お花見@福島花見山、三部:懇親会
詳細 → https://www.chefuko.org/onlinehanami/
■お問い合わせ先:一般社団法人 世界の子供たちのために 担当 / 西村
〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台2-5-1 住友不動産御茶ノ水ファーストビル8F
E-mail:info@chefuko.org TEL:03-5577-3155 FAX:03-3291-0011

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【3】コロナ禍で考える日常の課題(前編)

特定非営利活動法人さいたまチャイルドライン 代表理事  太田 久美

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特定非営利活動法人さいたまチャイルドラインは、18歳までの子どもたちがアクセスしてくる電話とチャットの相談を行っています。開設して20年になります。

この20年間で、子どもたちの環境はさまざまに変化してきましたが、2020年はコロナウィルスの感染拡大により、子ども達の生活にも大きな変化が起きました。

下記はコロナ禍での子ども達から当法人が受けた電話やチャットの内容を適宜編集したものです。子どもが話してくれた内容をそのまま発信することはありません。子ども達に秘密は守ると約束しているからです。

「突然の休校」

全国的な休校実施の発表は突然でした。2月27日に一斉休校が発表され、この日から数日間の子ども達の話題は、「突然の休校」一色という状態でした。一斉休校は多くの関係個所や関係する人々にも大きな影響を与えましたが、当事者の子ども達こそ何が起こったのかと「不安」以外はありませんでした。学校につらさを抱えている子どもたちにとっては、ホッとした側面もありましたが…。

当初は

・もう友だちと会えないのか
・次に学校に行くときには、先生にも会えない。よくしてもらったのにもう会えないんだよ
・卒業式はどうなるの。進学はできるのだろうか
・お母さんが困っている。自分が家にいると仕事に行けないって
・家から出るなって言われているので、友達とも会えない。ずっと一人で家にいるしかない。寂しい

日にちの経過と共に

・卒業式があったけれど、親も来ることができなかった。後輩もいなくて、代表が卒業証書をもらっただけで終わり。残りの人には後で郵送でくるって。一回きりの卒業式なのに
・今年は受験なんですよ。どうなるんだろう
・高校に入学するんだけれど、いつになったら始まるんだろう。こんな状況になっていて友だちができるか本当に不安になる

大人のストレスも日々高まっていきます。

戸惑い・困惑から、疲労へと変わっていく中で

・親に怒られることが多くなった。親が帰ってくると話したいけれど、話しかけると忙しいって言われる
・やっと学校の校庭に行ける時間ができたんだけど、道を歩いていると「家にいなければダメだろう」って大人に怒られる。校庭にも行きにくい。ちょっと友だちと立ち話していただけで、大人がにらんで通るんだ。
・ずっと家にいて、ゲームしかやることがない。(その後、学校から教材が届くようになると、山のように宿題が来て、とてもやれないとの声も届くようになります)

地域の大人から子ども達の生活に向ける目も厳しくなっていきます。無症状の若者から感染すると毎日メディアでは報道していた頃のことです。もちろん全ての大人が厳しい目で子どもを見ているわけではありませんが、コンビニの駐車場に中学生がちょっと屯していると学校に通報が行くような世の中です。公園も恐喝とかがあるので子どもだけでは行かせないようにと言われる地域もあります。

子ども達はどこで子ども時代を享受すればよいのでしょう。行き場を失った子ども達がゲームに夢中になることは当然のことのようにも思えます。そのゲームも子どもを家に上げてくれる家が激減する中では、自宅でできる通信ゲームで遊び、その中で友だち関係を作っています。

大人は、自分たちが子どもから遊ぶ場所を奪っている認識は持ち合わせていません。同じ時代を生きてはいても、子どもの現実には疎いのです。

「子どもの話を聴く」

子ども達は、「一生懸命勉強しているのに成績が上がらないんだ。親にはゲームばっかりしているからだって言われて喧嘩になった。決してゲームばっかりしているわけではないのに」と電話をしてくることになります。子どもには言い訳が許されません。私たち大人は日々言い訳に明け暮れて暮らしているというのに。

さいたまチャイルドラインでは、聴くということは「客観的に見たら、子どもの言い分は100%正しいわけではないけれど、私達は子ども達の言い分、時には言い訳を聴くのだ」と話しています。さいたまチャイルドラインにアクセスしてくる子ども達の一番の言い分は、『自分を分かってほしい・認めてほしい』という気持ちなのです。

「子どもの声から学ぶ」

コロナ禍での突然の休校が良かったのか悪かったのかの検証は、まだまだされていないように思います。私たちのような子どもの声が集まるNPOや学校現場の先生たち、親への影響等々、子どもや学校などに及ぼした影響を、包括的に検証する機会を持ってほしいと思います。

このような非常事態に子どもの声をどう反映するかは、困難なことが多いことは承知していますが、この混乱の中で子ども達に何が起こったのか、大人目線ではなく子どもの声を反映した中で検証することで、これからの子ども施策を考える参考になるのではないでしょうか。(後編へ つづく)

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太田 久美(おおた ひさみ)

1988年より、埼玉県で子どもの鑑賞活動や子どもの自治集団作りを進めるNPOで活動。1999年にチャイルドラインに出会い、開設を目指し準備を始める。2001年任意団体さいたまチャイルドラインを設立し、相談電話の開設を行う。(認定)特定非営利活動法人チャイルドライン支援センター代表理事・事務局長等を歴任。現在、(認定)特定非営利活動法人さいたまチャイルドライン代表理事。埼玉県自殺対策連絡協議会委員等。

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(編集後記)

日々暖かい日が増えて、桜の便りが、ちらほらと聞こえてきましたね。
現代は「花」と言えば、ほぼ桜をさすようですが、その昔は梅だったそうです。
とはいえ今年のお花見は、静かに花を愛でるだけの花見にしたいと思います。

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